――しかし。


「座って座って!あんまり時間ないしさ、今日はいーっぱい話そうよ!」


そう言って、さっちんは周りの目も気にすることなくわたしを自分が座っていた向かいの席に案内した。


「なに飲む?ここのフラッペ、めちゃくちゃおいしいんだよ!」


明らかにさっちんと釣り合わないわたしを見ても、態度を変えないさっちん。


…もしかしたら、釣り合わないと思っているのはわたしだけかもしれない。


対照的なわたしたち。

出会いがリアルだったら、きっとわたしからは話しかけることもなかっただろう。


それがゲームの世界で出会い、こうしてリアルでいっしょにいる。

それまで、まったくお互いのことを知らなかった2人なのに。


勇気を出して、外に出てよかった。


わたしはそう思えた。


そのあと、今さらだけど自己紹介をした。