さっちんはそんなことはないと思いつつも、心のどこかでは本当はさっちんは話を合わせているだけで、出会い目的な人かもしれないという警戒心は少なからずあった。


ゲーム内やネットで知り合った男の人と会って、連れ去られて監禁されたという事件が最近ニュースでやっていたから。

その事件も、犯人の男は女の子だと偽って接近してきたらしいし。


少しでもさっちんじゃないと思ったら…帰ろう。


そう決めて、ここへきた。


そして出会ったのは、わたしの想像とはまったく違うさっちん。

だけど、その無垢な笑顔はわたしを騙そうとしている人の顔とはとても思えない。


「うれし〜!本当にMちゃんに会えた〜!」


呆然とするわたしの手を取り、小さく飛び跳ねて喜ぶさっちん。


これまででも、こういうタイプの女の子の友達はいなかった。