一度、人生からログアウトしたわたしはなんと言われてもかまわない。

だけど、これまでわたしを見捨てずにいてくれたお母さんがなにか言われるのだけは…いやだ。


すると、心配をするわたしをよそにお母さんは微笑んだ。


「そんな心配してたの?みのりが外へ出ることに、ご近所さんなんて関係ないでしょ?お母さんは、みのりがまた一歩踏み出してくれることがうれしいんだから」


わたしの手を取って喜んでくれるお母さん。


引きこもりのわたしは、だれにも見られずにずっと家の中にいたほうがいいんじゃないかと思っていたけど、お母さんはそんなこと一切思っていなかった。


「明日から猛暑だって天気予報で言ってたから、出かけるなら熱中症に注意するのよ?」

「…うん!」


わたしは大きくうなずいた。


そのあとさっちんにDMを送って、数日後に会う約束をした。