さっちんのSNSには、たくさんの空の写真が投稿されていた。

澄み渡る青空、おもしろい形の雲、真っ赤に燃える夕焼け空、美しい虹などなど。


ずっと見ていたくなるような写真ばかりだった。


わたしは、このカーテンを閉め切った部屋にずっと閉じこもっていて、空を見上げる機会がなかった。

空って、こんなにきれいだったんだ。


自然と手は部屋のカーテンへ伸び、そっと厚手のカーテンを開ける。


またたく間に部屋に侵入してきた太陽の光に、わたしはとっさに目をつむって顔を背ける。

まぶしくて、目がくらむ。


しかし、ゆっくりとまぶたを開けた視界に飛び込んできたのは、白くて厚みのある大きな大きな入道雲。


入道雲…、久しぶりに見たかもしれない。


中学の夏休み、汗を流しながら部活へ向かった日のことを思い出す。