その後もまれに見知らぬだれかからDMが届くようになり、返信するという日々が続いた。

わたしも他のアバターの村をのぞきに行き、気になったことはDMで尋ねるようにもなった。


徐々に、だれかと会話をしているという喜びに実感を得るようになる。


それに、このアプリの中ではわたしはわたしであってわたしじゃない。

『乾みのり』ではなく、『M』だから。


本来のわたしが、不登校の末の引きこもりなんてこと、だれも知らない。


偽っているわけではない。

ここでのわたしは、もう1人のわたしだ。


DMでフレンド登録になったアバターからは、『Mちゃん』と呼ばれるようになり、アプリの中に自分の居場所を見出し始めていた。


気がつけば、もふもふタウンをインストールしてから2ヶ月がたっていた。


すっかりアプリ内でのフレンドが増えたわたし。