カーテンの隙間から漏れた陽の光が顔に当たり、わたしは薄っすらとまぶたを開ける。


また、いつもと変わらない朝を迎えた。

気だるくて、果てしない毎日の繰り返し。


布団にくるまったまま、枕元に置いていたスマホを手に取る。


【7:43】


時刻を確認し、スマホの画面を伏せて置く。


部屋のドアの向こう側の廊下とそれに続くリビングからは、時間に追われる忙しない足音が聞こえる。

わたしはその間、ずっと布団の中にこもっていた。


8時前。

…ギ、パタン


玄関のドアが閉まる音が聞こえ、部屋の中が静まり返る。

これが、わたしの起床の合図だ。


ようやくベッドから体を起こすと、ゆっくりとした足取りでドアへと向かう。

そこから、だれもいないとわかっていつつも、ドアの隙間からそっと顔をのぞかせて辺りをうかがう。