放送部の部室で、亜希は遥菜と一緒に一台のパソコンのモニターを見つめる。音声データとして波形になったインタビューを編集しながら、亜希は遥菜に話しかけた。
「仕方がないよ。雅記先輩はインタビューは苦手なんだよ」
「どうしよう。私、雅記先輩に嫌われちゃったかな?」
「あの先輩、繊細そうだもんね」
「もう、諦めようか、な」
「遥菜は雅記先輩のこと、好きなんでしょ? いいの?」
「だって」
「今日のインタビューだって、本当は雅記先輩に話しかけたいっていう理由だけで、あのクラスを選んだんでしょ?」
「……バレてた?」
「当たり前だよ。……それより、あのさ。他の先輩から聞いたんだけど、雅記先輩って、自閉何とかっていう、発達障がいらしいよ。遥菜は知ってた?」
「え? 初めて知った。っていうか、それ、……障がいがあるってこと?」
「たぶん、そう」
「だからインタビューをあんなに拒んだの?」
「そうだと思う」
「先輩って、いい曲つくるんだよ」
「え? 遥菜って、雅記先輩のプライベートなこと、何か知ってるの?」
「うん。SNSで探しまくったら、雅記先輩のアカウント見つけちゃった。毎日タブレットで作曲してるよ。しかも、自分でボーカルを入れた楽曲をつくって、去年、全国のコンテストでグランプリを獲ったって」
「すごい!」
「私は公開されてる先輩の曲をいつも聴いてるの。すごくいい」
「もう、完全に心を奪われてるじゃん」
「でもね、卒業したら、東京の音大に行くんだって。だから、もうすぐ離ればなれになるよ」
「東京か。思い切って告白したら?」
「東京に行くのに?」
「東京に行くからだよ。伝えなきゃ、もう二度と会えなくなるよ」
「でも」
「もう、あと一週間で先輩たちは卒業だよ。時間がないって。私も着いていってあげるから、さ」
「仕方がないよ。雅記先輩はインタビューは苦手なんだよ」
「どうしよう。私、雅記先輩に嫌われちゃったかな?」
「あの先輩、繊細そうだもんね」
「もう、諦めようか、な」
「遥菜は雅記先輩のこと、好きなんでしょ? いいの?」
「だって」
「今日のインタビューだって、本当は雅記先輩に話しかけたいっていう理由だけで、あのクラスを選んだんでしょ?」
「……バレてた?」
「当たり前だよ。……それより、あのさ。他の先輩から聞いたんだけど、雅記先輩って、自閉何とかっていう、発達障がいらしいよ。遥菜は知ってた?」
「え? 初めて知った。っていうか、それ、……障がいがあるってこと?」
「たぶん、そう」
「だからインタビューをあんなに拒んだの?」
「そうだと思う」
「先輩って、いい曲つくるんだよ」
「え? 遥菜って、雅記先輩のプライベートなこと、何か知ってるの?」
「うん。SNSで探しまくったら、雅記先輩のアカウント見つけちゃった。毎日タブレットで作曲してるよ。しかも、自分でボーカルを入れた楽曲をつくって、去年、全国のコンテストでグランプリを獲ったって」
「すごい!」
「私は公開されてる先輩の曲をいつも聴いてるの。すごくいい」
「もう、完全に心を奪われてるじゃん」
「でもね、卒業したら、東京の音大に行くんだって。だから、もうすぐ離ればなれになるよ」
「東京か。思い切って告白したら?」
「東京に行くのに?」
「東京に行くからだよ。伝えなきゃ、もう二度と会えなくなるよ」
「でも」
「もう、あと一週間で先輩たちは卒業だよ。時間がないって。私も着いていってあげるから、さ」