「緊張してる?」
「少し。でも大丈夫」

 婚約者である上條達也に問われ、宝来すみれは軽く頷いた。
 
 今宵東京湾の上で行われる船上パーティーには、すみれと達也の婚約を祝うために300人の招待客が集まっている。

 会場の扉が開くとすみれと達也にライトが当たり、思わず息を呑んだ。