部活を引退してからも、わたしの下駄箱の中へ手紙を入れることをやめなかった都丸くん。
 もしかしたら彼は、このままわたしが卒業するまで、愛にあふれた手紙をくれようとしていたのかもしれない。

 きゅっと胸が苦しくなった。どうしてあの時、都丸くんを責めてしまったのだろうと後悔した。

「ねえ、都丸くん。教えてよ……」

 最後の手紙を抱きしめて、わたしは瞳をそっとしまう。

「バスケを引退した後にくれたこの言葉は、一体誰の気持ちを綴ったものなの?」

『近藤先輩の、笑顔が好きです』

『近藤先輩が学校を卒業しても、また会いたいです』

 もしこの二通に書かれていた言葉が、他の誰でもない都丸くんの言葉だったとしたら、わたしは少し、期待してしまうよ。