それからの日々は、都丸くんを避けることに勤しんだ。

 登校時間は、なるべく遅くなるように心がけて、彼と鉢合わせないようにした。

 放課後も、部活のないわたしはチャイムが鳴ると同時に猛ダッシュ。都丸くんが玄関に来る前に校舎を後にすれば、彼の姿を見ずに済んだ。

 スカートへと突っ込んだ手紙を最後に、わたしの下駄箱は(から)になった。
 正確には、上履きか外靴のどちらかが入っているのだから、空とは言えないのだけれど、なんだか空っぽのように見えてしまった。

 これでいいんだ、これでいい。都丸くんからのうそつきレターなんか、入っていない方がいいんだから。

 と、そう思うのに。

「止まれ涙、ばかっ……」

 数ヶ月が経っても泣いているわたしは、なにか心残りがあるのだろうか。