「おはようございます、近藤先輩」

 待ちに待ったその日が訪れたのは、九月の一日(いっぴ)

「なんだか会うの、久しぶりですね」

 と、微笑む都丸くんを目に、痛感してしまう恋心。

「そ、そうだね。ほんと、久々だねっ」

 たちまち恥ずかしくなってしまい、俯きがちに下駄箱へ向かったわたし。
 するともう部活を引退した後なのに、こんな手紙が入っていた。

『近藤先輩の、笑顔が好きです』

 筆跡は、以前のものと変わらない。歪だけど、愛にあふれている文字。

 え……まだこの子、わたしに手紙くれるの……?

 引退すると共に、もうもらえないと思っていたメッセージ。だからわたしは驚いた。またもや差出人を知りたいと、強く強く思ってしまった。

 今度こそ、絶対に……!

 だからわたしは、強硬手段を取ったのだ。