スラスラ言えた、はずだ。多分変じゃ無かった。


僕は活発な話し合いが始まることを期待していた。しかし、結果は違った。


またも静まりかえる教室。少し考えて、それもそうかと思った。三年生にもなれば、簡単な物で済ませたいはずだ。歴代の三年生もそうだった。


はぁ、僕は心の中で深い溜息を吐いた。


期待なんてするもんじゃないな。そう思ったが、慌ててその考えを掻き消した。クラスメイトが裏切ったんじゃない。僕が勝手に受け入れられ無かっただけ。


そうだ、そうなのだ。本当は。クラスメイトは何も悪くない。


うっ、と吐き気が込み上げる。本心に嘘をついてまで碌なことを考えるもんじゃないな。



「どうした?何かやりたいことがあるやつはいないのか?」



担任がクラスメイトに問う。


誰も何も言わない。勿論僕も。まぁ、僕が何を言おうとその意見が通るはずが無いのだが。



「そういえばだな」



担任が何か思い出したかの様な仕草をした。そして自席に戻る。一番上の引き出しを引いて一枚の紙を取り出した。



「生徒会長から紙を預かっていたんだ」