クラスの大半が元気よくは〜い、と返事をした。小学一年生かよ。


いつもは気配を消しており、クラスメイトにも気付かれずに日常を送っている。だが、こういうときにだけ僕を出すのをやめてほしい。なんて、ぐちぐち言っても僕に入った票が取り下げられることはない。



「愛沢くんはいいですか?」



嫌だ。という言葉が出かかったが、必死の気持ちで飲み込んだ。


絶対に断るな、というクラスメイトからの視線が突き刺さる。


汗が背中を伝う。冷房が効いている教室のはずなのに。


うちの高校は進学校だ。なのに何故か行事にも力を入れている。だから行事の実行委員はとてつもない激務になる。


それは当日だけではなく、前もった準備や後片付けなども含まれる。それに、夏休み中も率先して準備に取り掛からなければいけない。


それなのに実行委員が一人とか馬鹿げてる。普通二人だろ。


そして僕らは今年三年生だ。大学受験が控えてる。それも相まって誰も実行委員をやりたがらないのだ。


で、こういうときに餌食になるのが草食動物みたいなクラスカースト下位の陰キャである。