「う、嘘じゃないもん!」
「だったらなんで大沢と映画に行く約束してんだよ!」
そ、と様子をうかがうと、案の定、その声の主は藍だった。片手を握られて逃げるに逃げられないと言った格好だ。
(怒鳴っている方は……確か三組の近藤って言ったっけ?)
同じクラスではないが、名前くらいは知っている。
「あの映画見たいって話をしてたら武史君も行きたいって言ったの」
「だからなんで俺という彼氏がいるのに別の男と行こうとするんだよ!」
「彼氏? 勝君が?」
「そうだよ! お前とつきあってんのは俺だろ?! いい加減なことすんなよ!」
言うなり、近藤は藍の手を捻るように引き寄せた。
「痛っ! ……離してぇ……」
「やめろよ」
さすがに手が出てるのに見て見ぬふりはできず、陽介は、後ろから声をかけた。
「だったらなんで大沢と映画に行く約束してんだよ!」
そ、と様子をうかがうと、案の定、その声の主は藍だった。片手を握られて逃げるに逃げられないと言った格好だ。
(怒鳴っている方は……確か三組の近藤って言ったっけ?)
同じクラスではないが、名前くらいは知っている。
「あの映画見たいって話をしてたら武史君も行きたいって言ったの」
「だからなんで俺という彼氏がいるのに別の男と行こうとするんだよ!」
「彼氏? 勝君が?」
「そうだよ! お前とつきあってんのは俺だろ?! いい加減なことすんなよ!」
言うなり、近藤は藍の手を捻るように引き寄せた。
「痛っ! ……離してぇ……」
「やめろよ」
さすがに手が出てるのに見て見ぬふりはできず、陽介は、後ろから声をかけた。