「おおおおおおおおっっっっ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
裂帛の気合と共に俺の黒曜の精霊剣・プリズマノワールと、勇者の聖剣が――漆黒と白銀が激しく激しく、これでもかと打ち鳴らされる!
キン!
ギィン!
キャン!
ギャキン――ッ!
「まったく君はどこまでも目障りだ! せっかく神託を使ってまで追放したというのに、こうやってまた僕の前に現れ邪魔をする!」
「なに言ってやがる! 俺のいる南部魔国に勝手に乗り込んできたのは、お前のほうだろうが!」
「戦場にまでしゃしゃり出てきたのは君の方だ!」
「俺の大切な魔王さまを、みすみす殺させるわけにはいかないからな!」
第一位階に属する究極剣と究極剣の頂上決戦はしかし、最初こそ互角だったものの、
「おらおら! さっきまでの威勢はどうした、ハルト!」
すぐに勇者が一方的に攻勢を強めはじめた。
「くぅ――っ!」
俺が守勢に回る時間がどんどんと長くなっていく。
「聖剣はな! 神が人間に与えたもうた対魔族の最強決戦兵器なんだよ! だが対魔族以外であってもその力は最強だ! たかがレアジョブなだけの精霊騎士ごときが、聖剣を持った勇者に勝てると思うな!」
くっ!
同じように打ち合っていて、むしろ剣技では俺が上回っているというのに、じりじりと押し込まれる!
「同じ第一位階でも、基本スペックはやはり聖剣のほうが上か!」
「今さら気付いてももう遅いんだよ!」
ならば――!
俺は激しく切り結ぶ中で、わずかな間隙を見つけると、すかさず【精霊詠唱】を開始した――!
「炎の魔神【イフリート】よ! その御力を我が刃に宿したまえ――【ゲヘナの業炎剣】!」
――心得た――
俺の力ある言葉に【イフリート】が応え、神をも滅する炎の精霊王の力を注ぎ込まれた黒曜の精霊剣・プリズマノワールの刀身が、燃えるような真紅に染まってゆく――!
「炎の最高位精霊【イフリート】の力を剣に付与したのか! まったくあれやこれやと器用にこなしやがって。本当に不愉快な存在だよ、精霊騎士ってのはさ! ハァッ!」
勇者が聖剣を強烈に振り下ろした。
しかし――、
ガギンッ!
「なにぃ――っ!?」
強烈なカウンターでもって、俺は聖剣を弾き返す!
「いける!」
【ゲヘナの業炎剣】は、聖剣にも力負けしていない!
「このっ! くっ!?」
「どうだ! 【イフリート】は神をも殺す最強の精霊王だ! これなら聖剣とも打ち合える!」
弾き飛ばされバランスを崩した勇者に、俺は追撃を敢行する。
「今度は俺の番だ、行くぞ勇者! おおおおぉぉぉぉ――っっ!!」
「舐めるな!」
真紅に染まった黒曜の精霊剣・プリズマノワールと白銀のオーラを湛える聖剣が、再び激しく打ち合う。
ギン!
ギャキン!
ギャン!
ギン!
しかしその打ち合いは、さっきまでとは全く違う様相を見せる!
「おおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」
さっきとは正反対に、今度は俺が勇者を追い込んでゆく!
「バカな! 聖剣が押し負けるだと!? ふざけるなふざけるなふざけるな! 君はどこまで僕を虚仮にすれば気が済むんだ!」
咆哮のような絶叫を上げながら繰り出した勇者の渾身のカウンター一閃を、
「おっと、あぶねぇ――」
俺は飛び退って回避した。
「このまま押し込めれば良かったんだけど、勇者も聖剣もさすがにそこまで甘くはないか」
性格こそやや難があるが、史上最強最悪の魔族と恐れられた北の魔王をヴィステム討伐した勇者の実力を、5年もパーティを組んだ俺は嫌と言うほど知っている。
「はぁ、はぁ……くそっ! 勇者である僕が! 精霊騎士ごときに後れを取るなどと! 許さん、断じて許さんぞハルト・カミカゼ! 昔のよしみで命だけは助けてやろうと思ったが、もはや是非もなし。僕に楯突いたことをあの世で後悔させてやる!」
勇者はそう言い捨てると、聖剣を天に向かって高々と突き上げた。
これは――!!
「天使顕現! セラフィム・コール!」
その言葉が発せられた瞬間、聖剣がまばゆいばかりに光り輝いたかと思うと、勇者の身体が煌めく白銀のオーラをまとい始めた――!
「はぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
裂帛の気合と共に俺の黒曜の精霊剣・プリズマノワールと、勇者の聖剣が――漆黒と白銀が激しく激しく、これでもかと打ち鳴らされる!
キン!
ギィン!
キャン!
ギャキン――ッ!
「まったく君はどこまでも目障りだ! せっかく神託を使ってまで追放したというのに、こうやってまた僕の前に現れ邪魔をする!」
「なに言ってやがる! 俺のいる南部魔国に勝手に乗り込んできたのは、お前のほうだろうが!」
「戦場にまでしゃしゃり出てきたのは君の方だ!」
「俺の大切な魔王さまを、みすみす殺させるわけにはいかないからな!」
第一位階に属する究極剣と究極剣の頂上決戦はしかし、最初こそ互角だったものの、
「おらおら! さっきまでの威勢はどうした、ハルト!」
すぐに勇者が一方的に攻勢を強めはじめた。
「くぅ――っ!」
俺が守勢に回る時間がどんどんと長くなっていく。
「聖剣はな! 神が人間に与えたもうた対魔族の最強決戦兵器なんだよ! だが対魔族以外であってもその力は最強だ! たかがレアジョブなだけの精霊騎士ごときが、聖剣を持った勇者に勝てると思うな!」
くっ!
同じように打ち合っていて、むしろ剣技では俺が上回っているというのに、じりじりと押し込まれる!
「同じ第一位階でも、基本スペックはやはり聖剣のほうが上か!」
「今さら気付いてももう遅いんだよ!」
ならば――!
俺は激しく切り結ぶ中で、わずかな間隙を見つけると、すかさず【精霊詠唱】を開始した――!
「炎の魔神【イフリート】よ! その御力を我が刃に宿したまえ――【ゲヘナの業炎剣】!」
――心得た――
俺の力ある言葉に【イフリート】が応え、神をも滅する炎の精霊王の力を注ぎ込まれた黒曜の精霊剣・プリズマノワールの刀身が、燃えるような真紅に染まってゆく――!
「炎の最高位精霊【イフリート】の力を剣に付与したのか! まったくあれやこれやと器用にこなしやがって。本当に不愉快な存在だよ、精霊騎士ってのはさ! ハァッ!」
勇者が聖剣を強烈に振り下ろした。
しかし――、
ガギンッ!
「なにぃ――っ!?」
強烈なカウンターでもって、俺は聖剣を弾き返す!
「いける!」
【ゲヘナの業炎剣】は、聖剣にも力負けしていない!
「このっ! くっ!?」
「どうだ! 【イフリート】は神をも殺す最強の精霊王だ! これなら聖剣とも打ち合える!」
弾き飛ばされバランスを崩した勇者に、俺は追撃を敢行する。
「今度は俺の番だ、行くぞ勇者! おおおおぉぉぉぉ――っっ!!」
「舐めるな!」
真紅に染まった黒曜の精霊剣・プリズマノワールと白銀のオーラを湛える聖剣が、再び激しく打ち合う。
ギン!
ギャキン!
ギャン!
ギン!
しかしその打ち合いは、さっきまでとは全く違う様相を見せる!
「おおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」
さっきとは正反対に、今度は俺が勇者を追い込んでゆく!
「バカな! 聖剣が押し負けるだと!? ふざけるなふざけるなふざけるな! 君はどこまで僕を虚仮にすれば気が済むんだ!」
咆哮のような絶叫を上げながら繰り出した勇者の渾身のカウンター一閃を、
「おっと、あぶねぇ――」
俺は飛び退って回避した。
「このまま押し込めれば良かったんだけど、勇者も聖剣もさすがにそこまで甘くはないか」
性格こそやや難があるが、史上最強最悪の魔族と恐れられた北の魔王をヴィステム討伐した勇者の実力を、5年もパーティを組んだ俺は嫌と言うほど知っている。
「はぁ、はぁ……くそっ! 勇者である僕が! 精霊騎士ごときに後れを取るなどと! 許さん、断じて許さんぞハルト・カミカゼ! 昔のよしみで命だけは助けてやろうと思ったが、もはや是非もなし。僕に楯突いたことをあの世で後悔させてやる!」
勇者はそう言い捨てると、聖剣を天に向かって高々と突き上げた。
これは――!!
「天使顕現! セラフィム・コール!」
その言葉が発せられた瞬間、聖剣がまばゆいばかりに光り輝いたかと思うと、勇者の身体が煌めく白銀のオーラをまとい始めた――!