ベルナルド大将軍に連れられて模擬戦の場へとやってきた俺は、まずは手合わせのルールの確認をする。
「勝ち負けはどうやって決めるんだ?」
「シンプルにどちらかが負けを認めるまでってのはどうだ?」
答えたベルナルドは既に動きやすいように軍服の上着を脱いでいて、手には巨大な戦斧――バトルアックスを握っている。
斧の刃を背中合わせにくっつけた超重量級の武器だ。
「分かった――戦闘精霊【タケミカヅチ】、精霊術【カグツチ】発動!」
――御心のままに――
俺はまず、戦闘力を大幅に向上させる【カグツチ】の精霊術を発動した。
俺の身体に戦闘精霊【タケミカヅチ】の強大な力が巡りはじめる――!
さらに俺は、
「【ザ・パワー】、精霊術【テストステロン】発動だ!」
――フンガー!――
力の最高位精霊【ザ・パワー】に呼びかけ、筋力を大幅に増強させる精霊術【テストステロン】を発動した。
鬼族はなんせ力自慢だからな、まずは押し負けないようにしないといけない。
「へぇ、それが精霊騎士の精霊術か。魔王さまのとは次元が違うじゃないか」
「うるさいわい! 妾だって頑張っとるんじゃわい!」
ベルナルドの呟きを、遠巻きに様子を見守っていた魔王さまが聞きとがめ、思わずといったようにツッコミを入れた。
「いいね、アタイもたぎってきたぜ! ってわけで行くぜ、オラァ!」
吠えるように叫ぶとともに、ベルナルドが猛烈な踏み込みからバトルアックスを叩きつけるように振り下ろした。
超重量級に分類されるバトルアックスを、ベルナルドはまるで細い木の枝でも振っているかのように、いとも軽々と振り回す!
しかし俺は即座に反応すると、
「ハァァァッッ――!!」
抜剣した勢いそのまま黒曜の精霊剣・プリズマノワールでもって、ベルナルドの激烈なる一撃を弾き返した!
「へぇ、マジでやるじゃん。まさか今のを避けもせず、真っ向勝負で弾き返すとはね」
「わざわざ行くぜって宣言した上で、1、2の3で来ると分かってりゃ、そりゃまぁな」
「言ってくれるじゃないか。ならこいつはどうだい!」
次にベルナルドが繰り出したのは、打ち込むと見せかけたフェイントからの、俺の防御タイミングをずらしながらの、これまた強烈な一撃だった。
鬼族はただ力が強いだけではない。
武器を扱う技術も、闘志も、戦術も駆け引きも。
どれをとっても最高レベルの、戦うことに極限特化した根っからの戦闘種族なのだ!
しかし俺はベルナルドのフェイントをしっかりと見切ると、黒曜の精霊剣・プリズマノワールでこれまたなんなく弾き返した。
「いいね、いいね! 想像以上にいいじゃないか! オラっ、オラオラっ、オラァ――!!」
次々と放たれるベルナルドの猛撃を、
「おおぉぉ――っっ!!」
俺は一歩も引かずに打ち返し、さらには反撃の一打を繰り出してゆく!
キンキンキンキンキンキンキン――――ッ!
激しく打ち鳴らされるバトルアックスと精霊剣。
「いいじゃないかハルト! 素敵だぜ! まさかこれほどとはね! アタイも腹の奥がキュンキュンと熱くなってきたよ! これはアタイも真の力を見せてやらないとね!」
「――っ! いけませんベルナルド様! それだけはおやめください!!」
ここまで模擬戦を静かに見守っていたミスティが悲鳴をあげた。
しかし俺との戦いでテンションアゲアゲなベルナルドは、外野の言葉なぞ聞き入れはしない。
来るか――。
鬼族の持つ『種族奥義』――!
「『鬼力解放』っ!」
咆哮とともに、ベルナルドの筋肉という筋肉が、メキメキと音を立てて盛り上がってゆく!
鬼力解放を行うことで、鬼族はただでさえ強靭な筋力を、短時間ではあるが、さらに数倍にまで引き上げることができるのだ――!
「勝ち負けはどうやって決めるんだ?」
「シンプルにどちらかが負けを認めるまでってのはどうだ?」
答えたベルナルドは既に動きやすいように軍服の上着を脱いでいて、手には巨大な戦斧――バトルアックスを握っている。
斧の刃を背中合わせにくっつけた超重量級の武器だ。
「分かった――戦闘精霊【タケミカヅチ】、精霊術【カグツチ】発動!」
――御心のままに――
俺はまず、戦闘力を大幅に向上させる【カグツチ】の精霊術を発動した。
俺の身体に戦闘精霊【タケミカヅチ】の強大な力が巡りはじめる――!
さらに俺は、
「【ザ・パワー】、精霊術【テストステロン】発動だ!」
――フンガー!――
力の最高位精霊【ザ・パワー】に呼びかけ、筋力を大幅に増強させる精霊術【テストステロン】を発動した。
鬼族はなんせ力自慢だからな、まずは押し負けないようにしないといけない。
「へぇ、それが精霊騎士の精霊術か。魔王さまのとは次元が違うじゃないか」
「うるさいわい! 妾だって頑張っとるんじゃわい!」
ベルナルドの呟きを、遠巻きに様子を見守っていた魔王さまが聞きとがめ、思わずといったようにツッコミを入れた。
「いいね、アタイもたぎってきたぜ! ってわけで行くぜ、オラァ!」
吠えるように叫ぶとともに、ベルナルドが猛烈な踏み込みからバトルアックスを叩きつけるように振り下ろした。
超重量級に分類されるバトルアックスを、ベルナルドはまるで細い木の枝でも振っているかのように、いとも軽々と振り回す!
しかし俺は即座に反応すると、
「ハァァァッッ――!!」
抜剣した勢いそのまま黒曜の精霊剣・プリズマノワールでもって、ベルナルドの激烈なる一撃を弾き返した!
「へぇ、マジでやるじゃん。まさか今のを避けもせず、真っ向勝負で弾き返すとはね」
「わざわざ行くぜって宣言した上で、1、2の3で来ると分かってりゃ、そりゃまぁな」
「言ってくれるじゃないか。ならこいつはどうだい!」
次にベルナルドが繰り出したのは、打ち込むと見せかけたフェイントからの、俺の防御タイミングをずらしながらの、これまた強烈な一撃だった。
鬼族はただ力が強いだけではない。
武器を扱う技術も、闘志も、戦術も駆け引きも。
どれをとっても最高レベルの、戦うことに極限特化した根っからの戦闘種族なのだ!
しかし俺はベルナルドのフェイントをしっかりと見切ると、黒曜の精霊剣・プリズマノワールでこれまたなんなく弾き返した。
「いいね、いいね! 想像以上にいいじゃないか! オラっ、オラオラっ、オラァ――!!」
次々と放たれるベルナルドの猛撃を、
「おおぉぉ――っっ!!」
俺は一歩も引かずに打ち返し、さらには反撃の一打を繰り出してゆく!
キンキンキンキンキンキンキン――――ッ!
激しく打ち鳴らされるバトルアックスと精霊剣。
「いいじゃないかハルト! 素敵だぜ! まさかこれほどとはね! アタイも腹の奥がキュンキュンと熱くなってきたよ! これはアタイも真の力を見せてやらないとね!」
「――っ! いけませんベルナルド様! それだけはおやめください!!」
ここまで模擬戦を静かに見守っていたミスティが悲鳴をあげた。
しかし俺との戦いでテンションアゲアゲなベルナルドは、外野の言葉なぞ聞き入れはしない。
来るか――。
鬼族の持つ『種族奥義』――!
「『鬼力解放』っ!」
咆哮とともに、ベルナルドの筋肉という筋肉が、メキメキと音を立てて盛り上がってゆく!
鬼力解放を行うことで、鬼族はただでさえ強靭な筋力を、短時間ではあるが、さらに数倍にまで引き上げることができるのだ――!