七日間の忌引き休暇が明け、自席で溜まったメールを処理していた。
「先輩、これどうぞ」
ふいに、隣の席から白いレースのハンカチを差し出される。
まだ入社五か月目だった恵美が、指導役のぼくを見つめていた。
そこで初めて、自分が泣いていることに気づかされる。
断る配慮もできず、そのままハンカチを受け取った。
慈しむように一瞬はにかみ、恵美はくるりと椅子を回して、自分のパソコンに視線を戻した。
まるで、ぼくに不都合なことはなに一つ見なかったかのように。
それからも、恵美は後輩としての距離を保ち、やみくもな慰めも、過剰な同情もせず、時には自分の失敗談で笑いをとって、ごく当たり前に接してくれた。
しみるように嬉しかった。
「先輩、これどうぞ」
ふいに、隣の席から白いレースのハンカチを差し出される。
まだ入社五か月目だった恵美が、指導役のぼくを見つめていた。
そこで初めて、自分が泣いていることに気づかされる。
断る配慮もできず、そのままハンカチを受け取った。
慈しむように一瞬はにかみ、恵美はくるりと椅子を回して、自分のパソコンに視線を戻した。
まるで、ぼくに不都合なことはなに一つ見なかったかのように。
それからも、恵美は後輩としての距離を保ち、やみくもな慰めも、過剰な同情もせず、時には自分の失敗談で笑いをとって、ごく当たり前に接してくれた。
しみるように嬉しかった。