「あー、もう最悪っ。散らばっちゃったじゃんっ」
床へ広がってしまった衣服を、袋の中にしまう美智。俺も腰を屈めて手伝えば、やはり聞きたくなってしまう。
「こんな高いもの、一体誰に買ってもらったの」
いくらバイトができる年齢になったとはいえ、学業が本業の高校生。身を粉にしたとしても、俺等が稼げる金額には限度がある。
こんな直球に聞いても誤魔化されるかな。そう思ったけれど、美智はことの他さらりと答えた。
「おじさん」
「親戚の?」
「ううん、ネットで知り合った他人のおじさん」
「この前階段で電話してたのも、その人?」
「そう」
盗み聞きをした武藤くんに、警察を呼ぶとまで言って怒っていたのに、どうして俺にはあっさり暴露したのだろうと不思議に思っていると、美智は続けてこう話す。
「胡都や他の人には言わないでよ」
「え、なんで」
「こういうのってさ、ドン引きする人と、心配する人。あとは干渉してこない人に別れるんだけど、山内は一番後者かなって思ったから教えた。あとの人はわかんないじゃん」
確かに胡都がこれを知ればとても心配し、余計な憂慮を与えてしまうだろうと考えた俺は、静かに頷いた。
床へ広がってしまった衣服を、袋の中にしまう美智。俺も腰を屈めて手伝えば、やはり聞きたくなってしまう。
「こんな高いもの、一体誰に買ってもらったの」
いくらバイトができる年齢になったとはいえ、学業が本業の高校生。身を粉にしたとしても、俺等が稼げる金額には限度がある。
こんな直球に聞いても誤魔化されるかな。そう思ったけれど、美智はことの他さらりと答えた。
「おじさん」
「親戚の?」
「ううん、ネットで知り合った他人のおじさん」
「この前階段で電話してたのも、その人?」
「そう」
盗み聞きをした武藤くんに、警察を呼ぶとまで言って怒っていたのに、どうして俺にはあっさり暴露したのだろうと不思議に思っていると、美智は続けてこう話す。
「胡都や他の人には言わないでよ」
「え、なんで」
「こういうのってさ、ドン引きする人と、心配する人。あとは干渉してこない人に別れるんだけど、山内は一番後者かなって思ったから教えた。あとの人はわかんないじゃん」
確かに胡都がこれを知ればとても心配し、余計な憂慮を与えてしまうだろうと考えた俺は、静かに頷いた。