「どうしてそんなこと聞くの……」

 ぶわっと泣き出した胡都の前、失意に陥る。

「なんでそんな、どうしてっ……」

 蹲り、自身を抱えて涙する彼女に見えた限界。このままでは、彼女は潰れてしまう。剣崎が壊すよりも先に、俺が彼女を壊してしまう。

「ごめん、胡都っ」

 膝を畳み、胡都と同じ目線までしゃがみ込むが、号泣中の彼女はコンクリートに向かって嗚咽し続ける。

「ごめん、そんな質問困るよな、今のは忘れてっ」

 小さなその身体を抱きしめて、震えを封じ込めてあげたいと思うのに、結局俺は無力で。

「ごめん胡都……本当にごめん……」

 彼女の傷口に塩を塗ることしかできなかった今日の自分を、情けなく思うだけ。