保健室担当の西条先生は、一見クールな清楚系美人だけれど、縁なしのオーバルメガネから覗く瞳はくりっとしていて、実は性格も愛嬌たっぷりな人。
「あら伊吹さん、久しぶりじゃなーい。今日はどしたのー?」
保健室の扉をわたしが開けるやいなや、友達のようにぶんぶんと手を振ってくる西条先生が見えて、わたしも思わず振り返す。入学したての頃、貧血や体調不良でここを利用したことのあるわたしが彼女と話すのは、数ヶ月ぶりだ。
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど、今お時間、平気ですか?」
気さくな西条先生は喋りやすい。人見知りしがちなわたしでも、すぐに打ち解けられた。
「ちょうど誰もいないし、座って座って」
キャスター付きの丸椅子を、デスクの下からコロコロと出し、そこへかけるよう促す彼女。
「一年一組の山内くんの頭の傷、どんな感じですかね……」
腰を下ろしながらそう聞けば、「山内稜?なにあんたたち、付き合ってんの」と、逆に質問を投げかけられた。
「え!いや、付き合ってるっていうか!」
予想だにしていなかった唐突なクエスチョンに、声が裏返る。
「付き合ってないの?」
「えっと、そうじゃなくてっ」
「じゃあやっぱり付き合ってんじゃない」
「は、はい……」
一瞬にして知られてしまった、山内くんとの間柄。なんだか恥ずかしくなってきたわたしは、もじもじする両手を腿で挟んだ。
「あら伊吹さん、久しぶりじゃなーい。今日はどしたのー?」
保健室の扉をわたしが開けるやいなや、友達のようにぶんぶんと手を振ってくる西条先生が見えて、わたしも思わず振り返す。入学したての頃、貧血や体調不良でここを利用したことのあるわたしが彼女と話すのは、数ヶ月ぶりだ。
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど、今お時間、平気ですか?」
気さくな西条先生は喋りやすい。人見知りしがちなわたしでも、すぐに打ち解けられた。
「ちょうど誰もいないし、座って座って」
キャスター付きの丸椅子を、デスクの下からコロコロと出し、そこへかけるよう促す彼女。
「一年一組の山内くんの頭の傷、どんな感じですかね……」
腰を下ろしながらそう聞けば、「山内稜?なにあんたたち、付き合ってんの」と、逆に質問を投げかけられた。
「え!いや、付き合ってるっていうか!」
予想だにしていなかった唐突なクエスチョンに、声が裏返る。
「付き合ってないの?」
「えっと、そうじゃなくてっ」
「じゃあやっぱり付き合ってんじゃない」
「は、はい……」
一瞬にして知られてしまった、山内くんとの間柄。なんだか恥ずかしくなってきたわたしは、もじもじする両手を腿で挟んだ。