「そ、そうだね。アハハハ……」
下手な笑いで誤魔化していると、斜め前の席に座っていたみっちゃんが振り向き、「どんまい」と、口の動きだけで言ってくる。
わたしの過去を知っているのは、この学校でみっちゃんだけ。萌ちゃんとゆっぴーとは仲が良いけれど、話そうとは思わない。と言うか話している最中に、わたしが潰れるって、泣きじゃくって上手く伝えられなくなるって、わかっているから。
「山内くんとツーショ撮ったら、その画像ちょうだいね〜」
朝のホームルームまで、あと五分。キンコンカンと予鈴が鳴り、ふたりは廊下側の自席へと戻って行く。
ふうっと浅い息を吐き、筆記用具を取り出していると、今度は肩を叩かれた。
「じゃあ今日にでも、俺とツーショ撮る?」
悪戯な笑みでスマートフォンを見せてくる山内くんから察するに、彼は今の女子トークを聞いていたのだろう。
「え、え」
「あとで撮ろうよ、写真」
「あ、ちがっ、大丈夫っ。今のは勝手にゆっぴーがっ」
堂々としている山内くんと、まごつくわたし。再度振り返ったみっちゃんが、くすくす笑っていた。
下手な笑いで誤魔化していると、斜め前の席に座っていたみっちゃんが振り向き、「どんまい」と、口の動きだけで言ってくる。
わたしの過去を知っているのは、この学校でみっちゃんだけ。萌ちゃんとゆっぴーとは仲が良いけれど、話そうとは思わない。と言うか話している最中に、わたしが潰れるって、泣きじゃくって上手く伝えられなくなるって、わかっているから。
「山内くんとツーショ撮ったら、その画像ちょうだいね〜」
朝のホームルームまで、あと五分。キンコンカンと予鈴が鳴り、ふたりは廊下側の自席へと戻って行く。
ふうっと浅い息を吐き、筆記用具を取り出していると、今度は肩を叩かれた。
「じゃあ今日にでも、俺とツーショ撮る?」
悪戯な笑みでスマートフォンを見せてくる山内くんから察するに、彼は今の女子トークを聞いていたのだろう。
「え、え」
「あとで撮ろうよ、写真」
「あ、ちがっ、大丈夫っ。今のは勝手にゆっぴーがっ」
堂々としている山内くんと、まごつくわたし。再度振り返ったみっちゃんが、くすくす笑っていた。