十二月二十五日のクリスマスは、終業式。毎年ココにも犬用のケーキを買って、家族皆でお祝いしていたが、今年はココがいないから、どこか寂しく感じてしまうのだろうか。
「な、なあ胡都。イブって空いてる?」
クリスマスを数日後に控えたとある日、窓際の席へやって来た山内くんが、なんだかそわそわしていた。
「あ、空いてなかったらべつにいいんだっ。特別な日だしっ」
山内くんが誘ってくれている。特別だというその日に、わたしのことを。
途端に込み上げる嬉しさを、わたしは必死に隠して聞いた。
「イブ?イブは普通に、学校あるよね?」
「そうだけど、その日は午前までだからっ」
「ああ、そっか」
「だからランチがてらさ、も、もしよかったらここ、行かないかなーって」
そう言って、彼がピラッと見せてきたチラシには、以前ふたりで訪れたヨーロッパ風のカフェの店名が記載されていた。
「わあ、美味しそう」
それと共に載っていたのは、いちごがたっぷり挟まれたショートケーキ。トップには丸みを帯びた大きないちごが神々しく聳えていて、店名よりも遥かに大きな文字で、『クリスマスシーズン限定!一週間だけのスペシャルケーキ!』と、書いてあった。
「な、なあ胡都。イブって空いてる?」
クリスマスを数日後に控えたとある日、窓際の席へやって来た山内くんが、なんだかそわそわしていた。
「あ、空いてなかったらべつにいいんだっ。特別な日だしっ」
山内くんが誘ってくれている。特別だというその日に、わたしのことを。
途端に込み上げる嬉しさを、わたしは必死に隠して聞いた。
「イブ?イブは普通に、学校あるよね?」
「そうだけど、その日は午前までだからっ」
「ああ、そっか」
「だからランチがてらさ、も、もしよかったらここ、行かないかなーって」
そう言って、彼がピラッと見せてきたチラシには、以前ふたりで訪れたヨーロッパ風のカフェの店名が記載されていた。
「わあ、美味しそう」
それと共に載っていたのは、いちごがたっぷり挟まれたショートケーキ。トップには丸みを帯びた大きないちごが神々しく聳えていて、店名よりも遥かに大きな文字で、『クリスマスシーズン限定!一週間だけのスペシャルケーキ!』と、書いてあった。