秋宮くんのお墓参りに行きたい。
数週間前、みっちゃんへそう告げた時、彼女はわたしを抱きしめて喜んだ。
「本当に!?胡都からそんな台詞聞けるなんて、まじで夢みたいっ!」
ぎゅうっとみっちゃんの腕に包まれて、わたしもそれに応えるよう、彼女の背中に手を回す。
「二年二組のみんなが行った時、わたしだけ行けなくてごめんね」
「そんなのいいんだよ!仕方ないよ!」
「その時は行く勇気がなかったの。でも今ならちゃんと、秋宮くんに手を合わせられる気がする」
秋宮くんのお通夜もお葬式も、そしてクラスの皆で計画したお墓参りさえも、わたしは一切顔を出さなかった。
彼を殺してしまったわたしにそんな資格はないと、そう思っていたけれど、山内くんがその考え方を変えてくれた。
わたしのせいではないと、今まで何度も訴えかけてくれたみっちゃん。しかしそれにわたしが同意できずにいたのは、きっともうすでに、自分で自分に手錠をかけていたからだ。だからいくら彼女が弁護してくれても、その罪は消せなかった。でも。
宝石のように笑える胡都なんかに、誰も殺せないって!俺が保証する!
山内くんは、その手錠を解く鍵を持っていた。その現場にいなかった、わたしの過去の全部を知らない山内くんだからこそ所持していたその鍵。同情でも何でもない彼の莫大な信頼が、わたしに自信を持たせてくれた。
秋宮くんが死んでしまったのは、たまたまだった。
百パーセントそう思えた、わけではない。けれど少しずつ前に進みたい。そしてその時は、隣に大切な人がいてほしい。
だから今回、みっちゃんにお願いして山内くんを誘ってもらった。千葉県銚子市にある秋宮くんのお墓。わたしたちが住む東京の街からは、電車を乗り継げば数時間ほどで着く場所。
自ら秋宮くんの元へ行くのは、彼が生きていた頃を含めても、初めてのことだった。
数週間前、みっちゃんへそう告げた時、彼女はわたしを抱きしめて喜んだ。
「本当に!?胡都からそんな台詞聞けるなんて、まじで夢みたいっ!」
ぎゅうっとみっちゃんの腕に包まれて、わたしもそれに応えるよう、彼女の背中に手を回す。
「二年二組のみんなが行った時、わたしだけ行けなくてごめんね」
「そんなのいいんだよ!仕方ないよ!」
「その時は行く勇気がなかったの。でも今ならちゃんと、秋宮くんに手を合わせられる気がする」
秋宮くんのお通夜もお葬式も、そしてクラスの皆で計画したお墓参りさえも、わたしは一切顔を出さなかった。
彼を殺してしまったわたしにそんな資格はないと、そう思っていたけれど、山内くんがその考え方を変えてくれた。
わたしのせいではないと、今まで何度も訴えかけてくれたみっちゃん。しかしそれにわたしが同意できずにいたのは、きっともうすでに、自分で自分に手錠をかけていたからだ。だからいくら彼女が弁護してくれても、その罪は消せなかった。でも。
宝石のように笑える胡都なんかに、誰も殺せないって!俺が保証する!
山内くんは、その手錠を解く鍵を持っていた。その現場にいなかった、わたしの過去の全部を知らない山内くんだからこそ所持していたその鍵。同情でも何でもない彼の莫大な信頼が、わたしに自信を持たせてくれた。
秋宮くんが死んでしまったのは、たまたまだった。
百パーセントそう思えた、わけではない。けれど少しずつ前に進みたい。そしてその時は、隣に大切な人がいてほしい。
だから今回、みっちゃんにお願いして山内くんを誘ってもらった。千葉県銚子市にある秋宮くんのお墓。わたしたちが住む東京の街からは、電車を乗り継げば数時間ほどで着く場所。
自ら秋宮くんの元へ行くのは、彼が生きていた頃を含めても、初めてのことだった。