瞬ぎしないその瞳に、確信が見えた。美智と真っ直ぐ交わる視線に、俺は刹那、呼吸の仕方を忘れかける。
「意気込んでした告白も結局玉砕して、すっごく辛かったんだと思う。そして、辛いとか消えちゃいたいとか強く思った時に、たまたま死ねる場所がすぐそこに見えたって、ただそれだけ。そんな気持ちになったこと、誰でも一度は経験あるでしょ?わたしだってあるもん。ああ辛い、ああ死にたい、明日なんか来なければいいのにってさ。秋宮は運が悪かったんだよ。死にたいと感じた場所とタイミングが悪かった。踏み留まる時間を与えられずに、電車もちょうど来ちゃうしさ」
ホームでの告白にご用心、と人差し指を立てた美智が言ってくるから、俺は「しねえよ」と無愛想に返す。
「場所とタイミングが悪かった、か。でもまあ、本当にそうだと思う」
「でしょ?」
「俺も胡都に好かれていなかったんだって気付いたのが崖の上だったら、今頃いねえや」
「あはは」
愛する人にフラれたショックから命を絶つことになった秋宮に対しては、僅かな同情心が芽生えた。けれど、それでもどうしても許せないのは、亡くなる直前に彼が残した言葉だ。
胡都のせいだから。
その言葉が暗示となり、胡都に必要のない十字架を背負わせて、苦しめている。
「意気込んでした告白も結局玉砕して、すっごく辛かったんだと思う。そして、辛いとか消えちゃいたいとか強く思った時に、たまたま死ねる場所がすぐそこに見えたって、ただそれだけ。そんな気持ちになったこと、誰でも一度は経験あるでしょ?わたしだってあるもん。ああ辛い、ああ死にたい、明日なんか来なければいいのにってさ。秋宮は運が悪かったんだよ。死にたいと感じた場所とタイミングが悪かった。踏み留まる時間を与えられずに、電車もちょうど来ちゃうしさ」
ホームでの告白にご用心、と人差し指を立てた美智が言ってくるから、俺は「しねえよ」と無愛想に返す。
「場所とタイミングが悪かった、か。でもまあ、本当にそうだと思う」
「でしょ?」
「俺も胡都に好かれていなかったんだって気付いたのが崖の上だったら、今頃いねえや」
「あはは」
愛する人にフラれたショックから命を絶つことになった秋宮に対しては、僅かな同情心が芽生えた。けれど、それでもどうしても許せないのは、亡くなる直前に彼が残した言葉だ。
胡都のせいだから。
その言葉が暗示となり、胡都に必要のない十字架を背負わせて、苦しめている。