【須々木香織様】
 とつぜんすみません、春海です。
 ディープブルーをいただいてからのこの数か月、本当に色々なことがありました。
 自分でも気づかないうちに、心境にも変化がありました。
 詳しくお話しすれば、あまりにも長いメールになってしまうと思います。
 だから、全ての想いを、一行に込めます。
 そこに書いてある言葉が、僕の本心、僕の全てです。
 須々木さん。
 僕は。
 僕は彼女を、助けたいんです。

【春海流君】
 堅苦しすぎて、一瞬誰からのメールかと思ってしまったよ。
 まったく、もう私たちは気の知れた仲じゃないか。もっとフランクな文面で送ってくれてもよかったんだよ?
……とはいえ、君の覚悟は文面から伝わってきた。それだけ本気という訳だね。
 万事、任せておきたまえ。必ず用意しておこう。
 君と彼女に――幸、多からんことを。