『結婚、することになったの……』

突然の電話だった。

高校時代に俺がずっと片想いしていた相手。

でもなぜだかその声は震えていた。

「おめでたいことなのにどうしたんだよ」

『やっぱり一番好きな人とは、結ばれないんだね……』

彼女の言葉は涙に溺れていた。


『大好きだったよ』

その過去形が堪らなく苦しい。