「恋人関係をやめよう」


そう切り出された時は、溢れ出す感情の波が抑えられず

止めどなく涙が溢れた。

ぼやけた視界の先にいる彼はどんな表情をしているだろう。

どう言えばいいのか、そう悩んでいると彼の唇は再び動いた。


「俺と苗字を重ねてほしい」


差し出された指輪をなんとか身につけ一言。

「はいっ」