お互いの手の温もりが一つに繋がった時。
セイの歌声が、二人の間に挟んでいるカーテンを通り抜けた。
「絡み合った指先と〜♪ 」
「えっ! セイくん、どうしてその歌を……?」
このタイミングに思い出の歌のワンフレーズを歌い始めた彼に一瞬戸惑った。
「もう会えたよ」
「え?」
「あんたは会いたかった人に足首が浸かるくらいの大雪の日に再会を約束したんだよね」
「うん、そうだけど……。でも、セイくんがどうしてこの歌を?」
「本当にお前は鈍いな……。俺、最初に言ったよ。《セイ》はいっせいのせいって。それは、俺の名前 一星の中の一文字の星。お前が会いたがっていてくれた幼なじみの皆川一星だよ」
彼の口から皆川くん本人とカミングアウトされた瞬間、度肝を抜かれた。
いつもカーテン越しにいた彼は顔も素性も知らない人物じゃなくて、昔から再会を切望していた皆川一星くんだったから。



