「やだっ……。セイくん起きてたの?」



紗南は不意に歌った歌声がセイ聞かれたと思ったら、急に恥ずかしくなった。



「レ・レ シ〜ラ〜ソ〜ファ#〜ファ#〜 ソ〜ソ〜♪ だよね」

「そうだけど。……どうしてその曲を?」



彼が奏でるメロディーが間違いなく思い出の曲の《For you》だったから、驚くあまりに言葉を失った。



「今なら素直に伝えられるのに〜♪ Love you For you〜♪ Love you Forever〜♪」



初めて聞いた彼の歌声があまりにも素敵だったから、ベッドに座ったままうっとりと聞き惚れた。

歌声が不思議と心地よくて。
心にジンと深く染み渡って。
ずっと傍で聴いていたくて。

歌声に感動した途端、自然と涙が溢れ出した。
どうやらこの曲は私の思い出のスイッチだったみたい。
涙が溢れ出てきて止まらないよ。



素敵。
セイくんの声と懐かしい歌の響きと。

似てる。
星型の飴をくれた皆川くんの歌い方と。