初めまして、綾波(あやなみ) (しおり)です。まずは『最後の一文字まで君を想う』を読んでいただきありがとうございました。

 今作のキーワードである『人はいつ死ぬのか』と言う問いについて貴方はどう考えますか?毎日そんなことを考えている人は少数だと思いますが、誰しも一度はそういった思考に囚われたことはあるでしょう。

 栞が本作で言っていた通り、人の生死というのは実に儚いものだと感じます。私は栞の想いを紡ぐためにこの一冊の《《最後の一文字まで彼女を想いました》》。これがこの作品の執筆に至った経緯です。

 担当編集者さんである今川(いまがわ) 夜叉(やしゃ)さんには頭が上がりません。スパルタ指導のおかげで栞の他界から2年で出版することが出来ました。本当にありがとうございます。

 ここで一つご報告が。私はこれ以上作品を書くことはありません。これが最初で最後の一冊です。次回作も買いたいと思ってくれた方々には申し訳ないですが、私にはヒロインが栞しか書けないので。

 もう一度、『最後の一文字まで君を想う』を手に取っていただき感謝申し上げます。これは彼女が生きた証であり、生きている証なのです。

 最後に一つ。どうか、忘れないでいただきたい。綾波栞という人が、氷室栞と言う人がこの世に居たことを――