夏でもないのに、じりじりと、暑い日だった。
ああ、もう死んでもいい。
永遠に続くように見える長い川を人生と照らし合わせた。
どこまでも伸び続ける真っ白な雲と比例するかのように、私の中にあるどす黒い何かも、大きくなっていく。
私の人生の面白みのなさときたら、それはもう、尋常じゃない。
人生はまるでゲームのようだ。
そんなことを周りに言ったら、厨二病だとか、カッコつけだと笑われてしまうだろうか。
しかし、事実なのだ。
目上の人には媚びを売り、友達には程よい距離感でいじりと褒めを使い分け、運動も勉強もそこそこにやれば、人生は上手くいく。
上手くいくの概念が、あっているのなら。
この先、こんな効率のいい人生を歩んでいくのだという将来を見据えた途端、死という選択肢が輝いて見えた。
こうなったら早い方がいい。
目の前の橋の手すりに手をかける。
手すりを乗り越えて橋の外側につま先立った。
周囲に人はほとんどおらず、今なら誰も私を止めることは無い。
今から私は、死ぬのだ。
1歩でも足を踏み外そうもんなら、10m下に真っ逆さまに落ちていく。
少し背筋が震えた。
でも、こんな人生に蹴りを付けたかった。
口の中で後悔の味がした、
気がした。
けど、そんなのどうでもよかった。
さあ、飛ぼう。