「魔物は魔力が溜まった場所に出現するモンスター型と魔の能力をもつ種類である魔獣・魔人型に分かれる。知能の低い魔獣やモンスターはほぼ気にしないでいいが危険なのは魔人型だ。奴らは知恵がある、すなわち考えて行動する人間と同様だ。だからこそ厄介なのだが」
兄弟と先生は現在、俺たちの家のあるロンヴァルキア王国南西部、ローレスに住んでいる。
そこから北西に十数キロ、ローレスの町の郊外の平原にいた。
冒険者になる前にお試しで魔物との戦闘を体験しに来ていたのだ。
「お前らにゴブリンなんか倒させる気はない。あんな雑魚、農具でも殺せる。今回狙うのはBランク以上のモンスターだ。魔人と戦わせてみた買ったが、魔人どもはあまり平地にいないのでな」
「僕らに倒せますか?」
「あ?倒せなかったら弟子クビな」
それは恐ろしいな。
でも、先生が倒せると踏んでいるのは確かであろう。
ならそれを信じていくまでだ。
「お、いた。あれは…ヘルスパイダーか。ちょうどいいのがいたな」
正直、どこにいるのかわからなかった。
北の方角を先生が指しているとい言うことはそこにいるのだろう。
「ヘルスパイダーって、B+ランクモンスターの?」
「ああ。あんな害虫すぐ倒せるだろ?1人ずつ行ってもらう。まずは長男、やれ」
「僕ですか?緊張します」
「火の魔法にやつはかなり弱い。余裕だ。余裕。糸には気をつけておけ」
そう言うと、平原を俺たちは無言で進んでいく。
飛んでいってもいいが、見つかって地中にでも逃げられたら面倒なので徒歩で行くようだ。
近づくとその存在を視認できてきた。
体調は4mくらい。
胴よりかなり長い蜘蛛特有の鋭い脚。
前足の2本は超巨大な釜のように鋭く、紫色の液体が塗布されている。
おそらく猛毒だ、本に書いてあった。
タランチュラをミニバンサイズにしたような感じといえばわかりやすいであろうか?
とにかくグロテスクだった。
俺とルアスは鳥肌が立ちっぱなしだっt。
キモすぎて。
ヘルスパイダーから範囲50m以内に入ると、先生はルアスに言う。
「やれ。まずはファイアボールから注意を引くといい。近接戦でも遠距離でもお前はできうだろう?好きな方にしろ」
「わかりました」
ルアスは腰の魔剣を抜き去る。
うすく焔色の刀身はすごく美しい。
「行ってまいります」
「兄ちゃん頑張って!」
一応、弟らしく応援する。
「ああ。兄さんは頑張るよ」
振り向いて満面の笑みでそう言う。
憎たらしいほどの美少年っぷりだった。
「ファイアボール!!」
身体魔法を駆使した機動力で急接近しつつ術式を編み、呪文を唱え、ルアスは魔法を発動させた。
油断しきってるヘルスパイダーは魔法に直撃。
「ギィィィィィィィィィィ!!!!」
叫び声を上げる、ポケ●ンで言う効果抜群ってやつだろう。
だが、苦しんで、表面の鋼鉄のような装甲が剥がれただけだった。
ルアスはその間に背後に回り込み、足めがけて剣を横薙ぎで切る。
ガキィィィン!!
「なっ!!?」
かなりの力で斬ったにも関わらず、傷一つつかない。
それに、背後に回っていた優位性も、もうない。
なぜなら、前足の鎌を豪快に旋回させたからだ。
「くっ!!」
飛び上がりつつ避けるルアス。
鎌から周りに飛び散った毒液は地面をドロドロに溶かしている。
おそらく酸系統の毒であるのであろう。
恐ろしい攻撃だ。
ルアスは着地すると、作戦を変更したように見える。
小さなファイアボールをうってヘルスパイダーを牽制する。
先ほどの近接戦闘とは打って変わって適度な距離を保って魔法を撃っている。
心配なことと言ったら俺と違い、魔力が有限であることくらいだろう。
ヘルスパイダーは、ジリ貧なこの現状に我慢できずに打って出る。
それが、ルアスの狙いだった。
ヘルスパイダーには弱点があった。
それは足の関節だった。
先ほど、ファイアボールを連発していた時にただ闇雲に撃っていたのではなくて、弱点を探りながらファイアボールを扱っていたのだ。
その際に関節にあった際に、一瞬ヘルスパイダーは少し姿勢を崩した。
そのご、かなり怒り狂った突進をしてきたのである。
単調に突進してくるだけのデカイ的を魔法で攻撃するのは簡単だった。
次に使う魔法はファイアボールではなかったようだ。
出現したのは3mほどの炎の槍が4本。
「ファイアランス!!!!」
腕を前にルアスが突き出すと、4本の火の槍は勢いよく飛んでいく。
そして、槍はヘルスパイダーの脚関節に突き刺さると、関節を燃やし尽くす。
「ギィィィィィィィ!!!!」
苦しそうに叫び声を上げる。
関節は焦げて、体の器官としての役割を果たしてはいない、3本の脚が使い物にならなくなったヘルスパイダーはその場に倒れ込む。
動けないようだ。
勝負あったな。
「魔剣イフリート、力を貸してくれ!!!!」
ルアスはイフリートに魔力を込める。
術式はもちろん火属性の術式。
これはルアスのオリジナルの魔法だ。
「琉火一閃!!」
通常の火の魔法の五倍の威力になる魔剣イフリートの特性を生かした火属性攻撃。
炎の剣でルアスはヘルスパイダーを燃やし尽くした。
そして、ヘルスパイダーは死骸となり、ルアスの強めた火力で消す済みになる。
残ったのが魔石だけだった。
ルアスの完全勝利だ。
「まぁまぁだな。40点やる。三十秒で片付けてほしかったがな」
「相変わらず先生はお厳しい。これからも慢心せずに精進していきます」
先生は珍しく誉めていた。
先生はこれでも誉めているつもりなのだ。
「さすが兄ちゃん!!」
「はは。アルに言われるとお世辞にしか聞こえないけど、ありがとう」
ルアスは魔石を拾いつつそう言う。
俺たちは顔を見合わせて笑い合う。
そんな時だった。
「お、次のいたな。ほう、ブラックサーペントか。次は次男だ」
「ぶ、ブラックサーペントですか!?」
ブラックサーペントといえば、Aーランクのモンスターじゃないか。
「びびってんのか?」
「そんなわけないです!やってやります!」
「じゃあやれ。おっと、こっちに気づいたようだぞ?」
前方に接近して見えるのは黒い巨大な黒蛇。
ガッチリ鉄で固められたかのような装甲に、巨大な体。
見るからにわかる、ヤバイやつだ。
接近してくるのを待つ。
「アル!お前ならできるぞ!」
背後から激励してくれるルアス。
「俺は天才だよ?兄ちゃん?」
「そうだったね。期待しているよ」
ルアスの激励を受けて黒蛇を睨む。
まずは氷獄魔法でブッパだ。
俺は足元から周囲が一気に凍るほどの氷山を黒蛇に向けてとりあえずかました。
地面が割れて、そこから巨大な氷塊が突き出てくる。
規模はもはや津波だ。
氷の壁が津波のように黒蛇'に襲い掛かる。
そして、飲み込む。
それで終わりだった。
氷獄魔法の氷は正真正銘死の氷。
触れれば一瞬で全てを凍り尽くす。
それは時に魂をも飲み込む。
一撃必殺、それが氷獄魔法だ。
今回の場合、黒蛇は全身を全て氷獄魔法で作り出した獄氷に飲み込まれたそれが敗因。
その時点で全てを凍りつくし、体内にあるのは肉と内臓、魔石だけだ。それも全てが氷ついて。
「圧倒的だね……、さすがはアルレルトだ」
ルアスは感嘆していた。
先生はと言うと、
ゴツン!!
痛ってぇ!!
俺の後ろに転移してきて、俺に身体強化込みで思いっきりゲンコツしてきた。
「馬鹿野郎!!テメェなんで固有スキル使うんだバカ!!修行にならねぇだろ!!」
こっぴどく叱られてしまった。
その後、適度に敵を倒しつつ、初めての魔物退治は幕を閉じた。
兄弟と先生は現在、俺たちの家のあるロンヴァルキア王国南西部、ローレスに住んでいる。
そこから北西に十数キロ、ローレスの町の郊外の平原にいた。
冒険者になる前にお試しで魔物との戦闘を体験しに来ていたのだ。
「お前らにゴブリンなんか倒させる気はない。あんな雑魚、農具でも殺せる。今回狙うのはBランク以上のモンスターだ。魔人と戦わせてみた買ったが、魔人どもはあまり平地にいないのでな」
「僕らに倒せますか?」
「あ?倒せなかったら弟子クビな」
それは恐ろしいな。
でも、先生が倒せると踏んでいるのは確かであろう。
ならそれを信じていくまでだ。
「お、いた。あれは…ヘルスパイダーか。ちょうどいいのがいたな」
正直、どこにいるのかわからなかった。
北の方角を先生が指しているとい言うことはそこにいるのだろう。
「ヘルスパイダーって、B+ランクモンスターの?」
「ああ。あんな害虫すぐ倒せるだろ?1人ずつ行ってもらう。まずは長男、やれ」
「僕ですか?緊張します」
「火の魔法にやつはかなり弱い。余裕だ。余裕。糸には気をつけておけ」
そう言うと、平原を俺たちは無言で進んでいく。
飛んでいってもいいが、見つかって地中にでも逃げられたら面倒なので徒歩で行くようだ。
近づくとその存在を視認できてきた。
体調は4mくらい。
胴よりかなり長い蜘蛛特有の鋭い脚。
前足の2本は超巨大な釜のように鋭く、紫色の液体が塗布されている。
おそらく猛毒だ、本に書いてあった。
タランチュラをミニバンサイズにしたような感じといえばわかりやすいであろうか?
とにかくグロテスクだった。
俺とルアスは鳥肌が立ちっぱなしだっt。
キモすぎて。
ヘルスパイダーから範囲50m以内に入ると、先生はルアスに言う。
「やれ。まずはファイアボールから注意を引くといい。近接戦でも遠距離でもお前はできうだろう?好きな方にしろ」
「わかりました」
ルアスは腰の魔剣を抜き去る。
うすく焔色の刀身はすごく美しい。
「行ってまいります」
「兄ちゃん頑張って!」
一応、弟らしく応援する。
「ああ。兄さんは頑張るよ」
振り向いて満面の笑みでそう言う。
憎たらしいほどの美少年っぷりだった。
「ファイアボール!!」
身体魔法を駆使した機動力で急接近しつつ術式を編み、呪文を唱え、ルアスは魔法を発動させた。
油断しきってるヘルスパイダーは魔法に直撃。
「ギィィィィィィィィィィ!!!!」
叫び声を上げる、ポケ●ンで言う効果抜群ってやつだろう。
だが、苦しんで、表面の鋼鉄のような装甲が剥がれただけだった。
ルアスはその間に背後に回り込み、足めがけて剣を横薙ぎで切る。
ガキィィィン!!
「なっ!!?」
かなりの力で斬ったにも関わらず、傷一つつかない。
それに、背後に回っていた優位性も、もうない。
なぜなら、前足の鎌を豪快に旋回させたからだ。
「くっ!!」
飛び上がりつつ避けるルアス。
鎌から周りに飛び散った毒液は地面をドロドロに溶かしている。
おそらく酸系統の毒であるのであろう。
恐ろしい攻撃だ。
ルアスは着地すると、作戦を変更したように見える。
小さなファイアボールをうってヘルスパイダーを牽制する。
先ほどの近接戦闘とは打って変わって適度な距離を保って魔法を撃っている。
心配なことと言ったら俺と違い、魔力が有限であることくらいだろう。
ヘルスパイダーは、ジリ貧なこの現状に我慢できずに打って出る。
それが、ルアスの狙いだった。
ヘルスパイダーには弱点があった。
それは足の関節だった。
先ほど、ファイアボールを連発していた時にただ闇雲に撃っていたのではなくて、弱点を探りながらファイアボールを扱っていたのだ。
その際に関節にあった際に、一瞬ヘルスパイダーは少し姿勢を崩した。
そのご、かなり怒り狂った突進をしてきたのである。
単調に突進してくるだけのデカイ的を魔法で攻撃するのは簡単だった。
次に使う魔法はファイアボールではなかったようだ。
出現したのは3mほどの炎の槍が4本。
「ファイアランス!!!!」
腕を前にルアスが突き出すと、4本の火の槍は勢いよく飛んでいく。
そして、槍はヘルスパイダーの脚関節に突き刺さると、関節を燃やし尽くす。
「ギィィィィィィィ!!!!」
苦しそうに叫び声を上げる。
関節は焦げて、体の器官としての役割を果たしてはいない、3本の脚が使い物にならなくなったヘルスパイダーはその場に倒れ込む。
動けないようだ。
勝負あったな。
「魔剣イフリート、力を貸してくれ!!!!」
ルアスはイフリートに魔力を込める。
術式はもちろん火属性の術式。
これはルアスのオリジナルの魔法だ。
「琉火一閃!!」
通常の火の魔法の五倍の威力になる魔剣イフリートの特性を生かした火属性攻撃。
炎の剣でルアスはヘルスパイダーを燃やし尽くした。
そして、ヘルスパイダーは死骸となり、ルアスの強めた火力で消す済みになる。
残ったのが魔石だけだった。
ルアスの完全勝利だ。
「まぁまぁだな。40点やる。三十秒で片付けてほしかったがな」
「相変わらず先生はお厳しい。これからも慢心せずに精進していきます」
先生は珍しく誉めていた。
先生はこれでも誉めているつもりなのだ。
「さすが兄ちゃん!!」
「はは。アルに言われるとお世辞にしか聞こえないけど、ありがとう」
ルアスは魔石を拾いつつそう言う。
俺たちは顔を見合わせて笑い合う。
そんな時だった。
「お、次のいたな。ほう、ブラックサーペントか。次は次男だ」
「ぶ、ブラックサーペントですか!?」
ブラックサーペントといえば、Aーランクのモンスターじゃないか。
「びびってんのか?」
「そんなわけないです!やってやります!」
「じゃあやれ。おっと、こっちに気づいたようだぞ?」
前方に接近して見えるのは黒い巨大な黒蛇。
ガッチリ鉄で固められたかのような装甲に、巨大な体。
見るからにわかる、ヤバイやつだ。
接近してくるのを待つ。
「アル!お前ならできるぞ!」
背後から激励してくれるルアス。
「俺は天才だよ?兄ちゃん?」
「そうだったね。期待しているよ」
ルアスの激励を受けて黒蛇を睨む。
まずは氷獄魔法でブッパだ。
俺は足元から周囲が一気に凍るほどの氷山を黒蛇に向けてとりあえずかました。
地面が割れて、そこから巨大な氷塊が突き出てくる。
規模はもはや津波だ。
氷の壁が津波のように黒蛇'に襲い掛かる。
そして、飲み込む。
それで終わりだった。
氷獄魔法の氷は正真正銘死の氷。
触れれば一瞬で全てを凍り尽くす。
それは時に魂をも飲み込む。
一撃必殺、それが氷獄魔法だ。
今回の場合、黒蛇は全身を全て氷獄魔法で作り出した獄氷に飲み込まれたそれが敗因。
その時点で全てを凍りつくし、体内にあるのは肉と内臓、魔石だけだ。それも全てが氷ついて。
「圧倒的だね……、さすがはアルレルトだ」
ルアスは感嘆していた。
先生はと言うと、
ゴツン!!
痛ってぇ!!
俺の後ろに転移してきて、俺に身体強化込みで思いっきりゲンコツしてきた。
「馬鹿野郎!!テメェなんで固有スキル使うんだバカ!!修行にならねぇだろ!!」
こっぴどく叱られてしまった。
その後、適度に敵を倒しつつ、初めての魔物退治は幕を閉じた。