暗い。
というより何も見えない、の方が正しいかもしれない。
ん、で、ここどこ?

そう、考えた時、俺の意識は再び目を覚ました。





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俺が転生してから半年経った。
まず断定しよう。
俺は異世界に転生した。

この世界について結構わかってきた。
まずは家族構成。

父親は『マルス・リゼラルア』 25歳で茶髪のイケメン。
母親は『リア・リゼラルア』 25歳の金髪美女。
兄貴の『ルアス・リゼラルア』 5歳の金髪の将来イケメン男児。

で、俺ー『アルレルト・リゼラルア』の4人の家族で構成されている。
両親は俺たちを産む前は敏腕冒険者として名を馳せたらしい、今は田舎で冒険者時代に蓄えたお金で大きな家を買ってスローライフを楽しんでいる。

この世界には冒険者という制度やダンジョン、魔物など、異世界と言われて思い浮かぶものは大体なんでもある。
魔物を倒すと、魔石や素材がドロップし、それを売って冒険者は生計を立てているそうだ。
迷宮なんかはドラクエなんかの’ゲームとほぼ一緒で宝箱なんかいくらでもあるし、リポップもする。宝箱からは稀に国宝級の化け物装備など価値の高いもの出てくるそうだ。確率的には簡単なダンジョンはその価値の高いものが出る確率が低く、逆にダンジョンの難易度が高ければ高いほど価値のあるものが出る確率は高くなるということだった。
その仕組みはいまだに解明されていないらしい。

魔物は最近多くなってきているらしいのでダンジョンに潜る冒険者も少なくなっているとかいないとか。

両親は見た感じ優しそうな雰囲気を醸し出すオシドリ夫婦に見えるが、その実態は強いのだろう。
兄貴はすごく優しく、いって仕舞えばブラコンってやつだ、別に嫌じゃないけどね。
この世界の言語についてだが確実に日本語ではないのでが、この小さい体は言語習得能力が優秀で今じゃほぼしゃべれるくらいにはりかいしている。
あとは声帯の発達を待つだけだ。

俺はというと黒目にぱっちり青眼。
母譲の整った顔立ちに、俺は将来性を持たせる。
イケメン、という種族に俺は生まれ変わってしまったのだ。
その時点で、俺はこの世界で勝ち組が決まってしまったのだろう。
全国の紳士たる男児諸君、恨まないでくれたまえ。

俺は最近、つかまり立ちができるようになり、数日前に一才を迎えた。
これからの成長が楽しみである。

そうそう、もっと重要なことがわかってきた。
そう、それがこれだ。

(ステータス・オープン)

『名前:アルレルト・リゼラルア
称号:???
身分:平民
状態:良好
レベル:1
魔力:∞
力 :1
敏捷:1
技術:1
耐久:1
固有スキル:【無限(インフィニティ)
固有スキル :【蒼炎魔法】【氷獄魔法】
特殊スキル:【火魔法】【氷魔法】【神聖魔法】 』

という感じでステータスが見られることに気がついた。
死ぬ間際に効いたあの声は俺にスキルが発現したことを知らせる、この世界で馴染みの深い謎の声らしい。

固有スキルはこの世界で1人しか扱えない能力のことを言うらしい。
ので、固有スキルは強力なものが多く、固有スキル保持者を倒すためには固有スキル保持者をぶつけるって言うのがこの世界のセオリーらしい。
特殊スキルにおいても神聖魔法はその使い手が非常に少なく、かなりレアスキルとなっているそうな。
そんなことより、見てほしいのが魔力値の欄。
俺、魔力が∞だわ。
これが、俺のスキルである【無限】の能力だ。

【無限】・・・・・・権能1、魔力量が無限になる。
権能2、演算速度が常人の数万倍加速される。
権能3、魔法詠唱破棄、術式構築の高速化。
権能4、魔力攻撃が貫通属性を帯びる。

の四つの権能がある。
見れば分かる通りに魔術師に特化したスキルである。
貫通属性というのは相手が防御系スキルを持っていた場合や、防御系魔法をしようした際に魔力攻撃が全てその防御能力を無視してダメージが与えられるというぶっ壊れ権能だ。
つまり、メ●ルスライムを魔法でワンパンできちゃうわけだ。

この世界、案外楽しそうでウキウキする。
これを見た後、俺は余計に成長するのが楽しみになってきた。

そんな感じで1人でドヤ顔していたら、俺はリアに抱き抱えられてリビングにある食卓に連れていかれる。
うむ、いつも通りだ。

そんな前世とは違う日常を味わいつつ、俺は未来を楽しみに思った