みきちゃんと家で別れてから一人駅前へと歩く。以前は歩きすぎて倒れてしまったので、その反省を活かして今日は電車を使うことにする。



 もちろんイヤホンを耳につけ音楽を聴きながら最寄りの駅へと向かう。五分ほどで最寄りの駅に着き、電車が来るまで近くのベンチに腰掛け、携帯でどうやって告白しようかググる。



 いくらググってみてもいまいちピンとくるものがなかったので、諦めてブラウザを閉じるとちょうど良く電車が風とともにホームに流れ込んでくる。



 比較的電車の中は空いていたので席に座り、音楽に身を任せて目を閉じる。待ち合わせの駅はここから四駅と近いので本格的に寝ることはできない。



 音楽を聴いているうちにどうやら目的の駅に到着したらしく、慌てず電車から降りる。平日の昼間ということもあり、駅はそこまで人で溢れてはいなかった。



 むしろ、この時間帯にここにいる自分の方が変な気持ちがして止まなかった。



 約束の十分前に着き、辺りを見回すがどうやら想太はまだ来ていないらしい。



 五分もすると、いつの間にか街は人で溢れかえっていた。この駅は僕たちが住んでいる場所で一番栄えている駅なので、当然といえば当然。



 こんなにたくさん人がいてもいずれ人は亡くなってしまうのだと考えると、人は儚い生き物だなと感じてしまう。



 人生にはもちろん楽しいことだって山ほどあるだろう。しかし、どんなに優れている人でも待っているのは『死』、これだけは人間である限り抗うことのできない運命。



 僕はまだ十六年しか生きていないので、人が生きていく上での存在意義というものがなんなのかわからない。



 あと十年時間が経てば、果たしてその答えは見つかるのだろうか。どちらにせよ僕は今、この瞬間を生きている。先のことなんて誰にもわからない。なら、この一瞬一瞬を大切に生きなければならないのかもしれない。



 川のように進んでいる時間の流れに身を任せるように。あぁ、今日も空が綺麗だ。