ドライヤーで髪を溶かしながら乾かし、ついでに歯磨きも一緒にする。お腹もいっぱいでこの後、何も食べるつもりはないので先にしてしまう。



 既に時刻は二十二時を回っていた。普段僕は、二十三時くらいに寝るので就寝まであと一時間はある。それまで彼女と何をしようか考えながら歯磨きを終える。



 自分の部屋に戻ると、僕のベッドで横になりながら携帯をいじっている彼女。



「あれ〜、随分上がってくるの早かったね」



「ま、まぁね。せっかくみきちゃんがきてるから早く上がろうと思って」



 "みきちゃんのことを意識してのぼせそうになりました"なんて死んでも言えるわけがない。



「ふ〜ん、てっきり私のこと意識したのかと思ったのにな〜?」



 返事をしたら負けだと思い。ゆっくり深呼吸をし首を横に振る。



「お、少しは成長したみたいだ。それより今から何しよっか?」



「んー、いつもは二十三時に寝るんだけど今日は少し疲れちゃったみたい」



 今日は一日中、朝から晩まで体を休める時間がなかったので、体はクタクタだった。それに昨日の今日ということもあり、体のことが心配なので早く寝たい。



「よし! じゃあ、ベッドに入って横になりながら話そ?眠たくなったら、いつでも寝ていいからさ」



「うん、そうしよう」



 やはりみきちゃんはこのような小さな気遣いが普通のようにできるのが僕はすごいと思う。



 普通なら泊まりということもありテンションが上がって『寝ない!』とかいう人だっているのだろうに。そういう人に限って意外と寝るのが早いのだが...