「ふぅ〜、気持ちいい」



　しっかりと頭と体を洗った後に湯船に浸かる。一番風呂に比べて二番目に入る湯船は人が入った後なので、湯加減がちょうどいい。



　正直一番風呂は熱いので苦手だから、今回は気持ちが良くて長湯しそうになってしまう。



「ん？」



　ふとあること気が付く。普段は父さんが一番最初にお風呂に入るが、今日は...



「そうだった・・・みきちゃんが入ってたんだ・・・」



　すっかり彼女が泊まりにきていることをシャワーと共に洗い流して忘れてしまっていたみたい。意識し出すと止まらない。



　急に顔が赤くなり始め、さっきまでちょうどいい湯加減だったのが、熱いくらいに感じてしまう。



　このまま入っていてはすぐにのぼせてしまうと思い、急いでお風呂から上がりタオルで体を拭く。お風呂から出ると一気にその熱は体から抜けていく。



　僕の体からは白い湯気が立ち昇り、洗面台の鏡は一瞬にして真っ白に曇ってしまう。曇ってくれてよかった。



　絶対今の僕の顔は恥ずかしいくらい顔全体が紅色になっているに違いないから。



　果たして今日僕は安心して眠ることができるのだろうか...緊張でどうにかなりそう。