なぜか想太は叩かれているのに嬉しそう。それを見て、みんなで笑い合う。また一つの思い出がバームクーヘンのように塗り固められていく。
何重にも重なり続けている僕らの思い出の上に、新たな一ページとして。
「次は私だけど、なんかトップバッターから飛ばし過ぎじゃない? この後の海、多分しんどいよ?」
笑いながら僕の顔を覗き込んでくる一花。きっと彼女も想太に負けないほどのものを用意しているのだろう。顔に"自信があります!"と書いてあるかのような表情をしている一花。
「いや、もうすでに自信無くしてるよ・・・」
「じゃあ、さらに追い打ちをかけますか!」
ガサゴソと鞄の中から何やら大きめの袋を取り出す彼女。その手には世界中の誰もが知っている有名ブランド名が見える。
「私からはコスメをプレゼント! 希美ちゃんあまり化粧とかしないでしょ? だからこの機会に化粧を始めてみようよ!うちが化粧の仕方教えるからさ」
確かに今までみきちゃんが化粧をした姿を一度も目にしたことがない。言ってしまえば、みきちゃんは化粧をする必要がないとも言える。
それほど彼女の顔は一般人離れしているほど美形なのだ。だから、そんな彼女が化粧をしたらどう変わってしまうのか興味がある。
「嬉しいよ、いっちゃん! もう高校生だから化粧してみようかな〜って思ってたところだったの! それにいっちゃんが教えてくれるなら間違いないね! 確か中学生くらいの時からしてたよね?」
「そうだね、中学の時にはもうしてたね。希美ちゃんが化粧でどのくらい変わるのか、正直うちもわからないから楽しみな反面、逆に可愛くなくなったらと思うと心配」
一花の言い分もわからなくもない。顔が整っているあまり、下手に化粧をして元より可愛く見えなくなってしまう恐れもある。なんとも贅沢な悩みである。
「大丈夫だよ、いっちゃん上手だもん。安心して任せられるよ」
「そう言われると、少し恥ずかしいな・・・あ、そうだ! 今からしてみない?」
「え、したい! いいの?」
「二人はどう思う?」
僕と想太は顔を見合わせ、同時に頷く。もちろん見たいに決まっている。
そう告げると彼女たちはコスメを手にしたまま扉を開けて、別室へと移動していってしまった。仄かに甘い幸せな香りがする。部屋に淀みのない新鮮な空気が流れ込んでくる感じがした。
何重にも重なり続けている僕らの思い出の上に、新たな一ページとして。
「次は私だけど、なんかトップバッターから飛ばし過ぎじゃない? この後の海、多分しんどいよ?」
笑いながら僕の顔を覗き込んでくる一花。きっと彼女も想太に負けないほどのものを用意しているのだろう。顔に"自信があります!"と書いてあるかのような表情をしている一花。
「いや、もうすでに自信無くしてるよ・・・」
「じゃあ、さらに追い打ちをかけますか!」
ガサゴソと鞄の中から何やら大きめの袋を取り出す彼女。その手には世界中の誰もが知っている有名ブランド名が見える。
「私からはコスメをプレゼント! 希美ちゃんあまり化粧とかしないでしょ? だからこの機会に化粧を始めてみようよ!うちが化粧の仕方教えるからさ」
確かに今までみきちゃんが化粧をした姿を一度も目にしたことがない。言ってしまえば、みきちゃんは化粧をする必要がないとも言える。
それほど彼女の顔は一般人離れしているほど美形なのだ。だから、そんな彼女が化粧をしたらどう変わってしまうのか興味がある。
「嬉しいよ、いっちゃん! もう高校生だから化粧してみようかな〜って思ってたところだったの! それにいっちゃんが教えてくれるなら間違いないね! 確か中学生くらいの時からしてたよね?」
「そうだね、中学の時にはもうしてたね。希美ちゃんが化粧でどのくらい変わるのか、正直うちもわからないから楽しみな反面、逆に可愛くなくなったらと思うと心配」
一花の言い分もわからなくもない。顔が整っているあまり、下手に化粧をして元より可愛く見えなくなってしまう恐れもある。なんとも贅沢な悩みである。
「大丈夫だよ、いっちゃん上手だもん。安心して任せられるよ」
「そう言われると、少し恥ずかしいな・・・あ、そうだ! 今からしてみない?」
「え、したい! いいの?」
「二人はどう思う?」
僕と想太は顔を見合わせ、同時に頷く。もちろん見たいに決まっている。
そう告げると彼女たちはコスメを手にしたまま扉を開けて、別室へと移動していってしまった。仄かに甘い幸せな香りがする。部屋に淀みのない新鮮な空気が流れ込んでくる感じがした。