「はぁ、痛かった・・・あと海、お前笑いすぎな。それよりさ今年はどうするよ」
「こ、今年? なんの話?」
「笑いすぎて忘れちまったのか?明後日は希美の十六歳の誕生日だぞ」
もちろん忘れてなどいない。僕にとって大切な人の誕生日を忘れるわけがない。
「覚えているよ。今年はどこでするかってことでしょ?僕も今日それをみんなに聞こうと思ってた」
「去年は確か、うちでやったのよね?」
一花が思い出したかのように手を上げる。僕たちは毎年誰かの家にみんなで集まり、一年を通して誕生日会をしている。去年は一花の家で、誰かの誕生日が来るごとにお邪魔してお祝いをした。
そんな感じで毎年ローテーションしながらやっている。小学四年年生の頃から続けているのでもう既に六回。つまりそれぞれの家で一回ずつは誕生日会をしていることになる。
「今年は僕の家でどうかな?」
「順番的にいったら今年は海の家だもんな」
「みんなもそれでいいかな?」
みきちゃんと一花もどうやら僕の意見に賛成らしく微笑みながら頷いてくれた。
「みんな、ありがとうね。今年もお祝いしてくれて本当に嬉しいよ」
「毎年思うけど希美が最初にお姉さんになるってなんだか腑に落ちないんだよなー」
「ちょっと想太、それどういう意味!」
「俺からしたらお前ら二人は弟と妹って感じだからな」
みきちゃんと僕を交互に見つめる想太。確かに僕は弟扱いされてきたが、みきちゃんものなのだろうか...
「なんで私が妹なのよ! どう考えてもお姉さんでしょ!」
「いーや、お姉さんはいちで希美は妹だよ。だって、未だに・・・」
何やら想太がみきちゃんの耳元でコソコソと何かを呟いている。それを一花は察しているかのように柔らかな表情で見つめる。確かに想太の言う通り、その横顔は妹を見守るかのような温かな顔だった。
話し終えたと思いきやみきちゃんは顔を手で隠したまま再び俯いてしまった。
「想太、みきちゃんに何をいったの?」
「あぁー。希美は未だに告白できないからなーって・・・」
「や、やめてー!!! 秘密にしてって言ったでしょ!」
赤面しながら手を振り回す彼女。照れて目が開いていないのか一発も想太には当たっていない。
誰もいない宙をひたすらパンチしている模様。
「み、みきちゃん!もし悩んでいることがあるなら僕なんでも相談に乗るからね」
秘密...その単語を聞いて焦ってしまった僕がいる。みんなに秘密にしているのは僕の方なんだと。
僕の言葉を聞いてお兄さん、お姉さんは頭を抱えながら『これは時間がかかりそうだ』と笑っていたが、当然焦っていた僕の耳に届くことはなかった。
「こ、今年? なんの話?」
「笑いすぎて忘れちまったのか?明後日は希美の十六歳の誕生日だぞ」
もちろん忘れてなどいない。僕にとって大切な人の誕生日を忘れるわけがない。
「覚えているよ。今年はどこでするかってことでしょ?僕も今日それをみんなに聞こうと思ってた」
「去年は確か、うちでやったのよね?」
一花が思い出したかのように手を上げる。僕たちは毎年誰かの家にみんなで集まり、一年を通して誕生日会をしている。去年は一花の家で、誰かの誕生日が来るごとにお邪魔してお祝いをした。
そんな感じで毎年ローテーションしながらやっている。小学四年年生の頃から続けているのでもう既に六回。つまりそれぞれの家で一回ずつは誕生日会をしていることになる。
「今年は僕の家でどうかな?」
「順番的にいったら今年は海の家だもんな」
「みんなもそれでいいかな?」
みきちゃんと一花もどうやら僕の意見に賛成らしく微笑みながら頷いてくれた。
「みんな、ありがとうね。今年もお祝いしてくれて本当に嬉しいよ」
「毎年思うけど希美が最初にお姉さんになるってなんだか腑に落ちないんだよなー」
「ちょっと想太、それどういう意味!」
「俺からしたらお前ら二人は弟と妹って感じだからな」
みきちゃんと僕を交互に見つめる想太。確かに僕は弟扱いされてきたが、みきちゃんものなのだろうか...
「なんで私が妹なのよ! どう考えてもお姉さんでしょ!」
「いーや、お姉さんはいちで希美は妹だよ。だって、未だに・・・」
何やら想太がみきちゃんの耳元でコソコソと何かを呟いている。それを一花は察しているかのように柔らかな表情で見つめる。確かに想太の言う通り、その横顔は妹を見守るかのような温かな顔だった。
話し終えたと思いきやみきちゃんは顔を手で隠したまま再び俯いてしまった。
「想太、みきちゃんに何をいったの?」
「あぁー。希美は未だに告白できないからなーって・・・」
「や、やめてー!!! 秘密にしてって言ったでしょ!」
赤面しながら手を振り回す彼女。照れて目が開いていないのか一発も想太には当たっていない。
誰もいない宙をひたすらパンチしている模様。
「み、みきちゃん!もし悩んでいることがあるなら僕なんでも相談に乗るからね」
秘密...その単語を聞いて焦ってしまった僕がいる。みんなに秘密にしているのは僕の方なんだと。
僕の言葉を聞いてお兄さん、お姉さんは頭を抱えながら『これは時間がかかりそうだ』と笑っていたが、当然焦っていた僕の耳に届くことはなかった。