それからというもの四人で話しているうちにオレンジ色の空が薄黒くなってきた。レジャーシートから立ち上がり右足から靴を履く。高校生になってから履き始めたツヤツヤしているローファー。
あと三年間でこのローファーがどこまで汚れてしまうのだろうか。きっとその頃にはこのローファーにも愛着が湧いているのかもしれない。そうなっていてほしいと切実に思う。
レジャーシートの四隅を四人で持ち、汚れを落とすために上へ持ち上げて一気に下に振り下ろす。レジャーシートの汚れが落ちると同時に僕らの周りに風が舞い、芝生の上に散っている桜の花びらが空へ飛び立とうと踊り出す。
そのまま折り紙を折るようにレジャーシートを徐々に小さく折っていく。
「いやー、楽しかったな!たまには花見もいいもんだな!」
「そーだね。想太ここにくる途中すごい楽しみにしてたもんね。『海が俺らを誘ってくれた!』って」
「お、おい! いち、それは言わない約束だったろー!」
「さー? そんな約束したっけ?」
想太がそんなに楽しみしていたなんて全く知らなかったのでちょっと嬉しい。たまには僕からまた誘うのもアリだなと内心思う。
「ねぇ、海」
想太と一花を眺めていたら不意に耳元でぼそっとみきちゃんに呼ばれる。突然耳元で囁かれたものだから"ドキッ"としてしまった。
"ドクンッ"また心臓の音が僕の耳まで届くくらい大きく聞こえてくる。最近、心臓の音が聞こえてくるのが多い気がする。
不安にな衝動に駆られるが、先生は運動をしたり、走ったりしなければ命に関わることはないと言っていたので多分大丈夫だろうと思い込む。
なんだろうか、胸の奥底から湧き上がってくるこの霧がかったようなモヤモヤする感じは。時間が経てば治るはずだが、今はこのモヤモヤが気になって仕方がない。
あと三年間でこのローファーがどこまで汚れてしまうのだろうか。きっとその頃にはこのローファーにも愛着が湧いているのかもしれない。そうなっていてほしいと切実に思う。
レジャーシートの四隅を四人で持ち、汚れを落とすために上へ持ち上げて一気に下に振り下ろす。レジャーシートの汚れが落ちると同時に僕らの周りに風が舞い、芝生の上に散っている桜の花びらが空へ飛び立とうと踊り出す。
そのまま折り紙を折るようにレジャーシートを徐々に小さく折っていく。
「いやー、楽しかったな!たまには花見もいいもんだな!」
「そーだね。想太ここにくる途中すごい楽しみにしてたもんね。『海が俺らを誘ってくれた!』って」
「お、おい! いち、それは言わない約束だったろー!」
「さー? そんな約束したっけ?」
想太がそんなに楽しみしていたなんて全く知らなかったのでちょっと嬉しい。たまには僕からまた誘うのもアリだなと内心思う。
「ねぇ、海」
想太と一花を眺めていたら不意に耳元でぼそっとみきちゃんに呼ばれる。突然耳元で囁かれたものだから"ドキッ"としてしまった。
"ドクンッ"また心臓の音が僕の耳まで届くくらい大きく聞こえてくる。最近、心臓の音が聞こえてくるのが多い気がする。
不安にな衝動に駆られるが、先生は運動をしたり、走ったりしなければ命に関わることはないと言っていたので多分大丈夫だろうと思い込む。
なんだろうか、胸の奥底から湧き上がってくるこの霧がかったようなモヤモヤする感じは。時間が経てば治るはずだが、今はこのモヤモヤが気になって仕方がない。