「海ー! ぼーっとしてないで準備するよ!」
「あぁ、ごめん」
みんなと来たことをすっかり忘れてしまうほど、この公園の落ち着いた雰囲気に飲み込まれてしまっていた。
緑の芝に覆われ、顔を上げると満開の桜の木。日本でしか味わえない景色に簡単に心が奪われる。
「よーし、じゃあ男子はレジャーシートの準備!私たちはお菓子やジュースを開ける」
「おっけー! さっさと準備しようぜ!」
一花がわざわざ家からレジャーシートを持ってきたようで気が利くなと感心する。どうやらそれが理由で遅れたらしい。僕と想太でレジャーシートの端と端を持ち"せーの"で引っ張る。
急に広げたことで僕らの周りに小さな風が巻き起きる。二人で息を合わせてゆっくりと地面にレジャーシートを敷いていく。
微量の風がレジャーシートの周りの芝をやんわりと揺らす。青っぽい香りが、周囲に立ち込める。
小学生の頃にした遠足気分を再び味わっているような感覚に心が自然と躍る。
「二人ともありがとう!よし、いっちゃん紙コップと箸の準備しよっか」
「そうだね! 少し時間かかりそうだからその間、暇なら二人で公園内散歩してきてもいいよ?」
「どうするよ、海」
「んー、何もすることないなら散歩でもしてようかな」
「んじゃ俺ら散歩してくるわ!準備終わったら連絡ちょうだい」
「わかったよ、あまりはしゃぎすぎないようにね。いってらしゃーい」
みきちゃんの瞳が若干揺らいで見えたのは僕の見間違いだろうか。
「あぁ、ごめん」
みんなと来たことをすっかり忘れてしまうほど、この公園の落ち着いた雰囲気に飲み込まれてしまっていた。
緑の芝に覆われ、顔を上げると満開の桜の木。日本でしか味わえない景色に簡単に心が奪われる。
「よーし、じゃあ男子はレジャーシートの準備!私たちはお菓子やジュースを開ける」
「おっけー! さっさと準備しようぜ!」
一花がわざわざ家からレジャーシートを持ってきたようで気が利くなと感心する。どうやらそれが理由で遅れたらしい。僕と想太でレジャーシートの端と端を持ち"せーの"で引っ張る。
急に広げたことで僕らの周りに小さな風が巻き起きる。二人で息を合わせてゆっくりと地面にレジャーシートを敷いていく。
微量の風がレジャーシートの周りの芝をやんわりと揺らす。青っぽい香りが、周囲に立ち込める。
小学生の頃にした遠足気分を再び味わっているような感覚に心が自然と躍る。
「二人ともありがとう!よし、いっちゃん紙コップと箸の準備しよっか」
「そうだね! 少し時間かかりそうだからその間、暇なら二人で公園内散歩してきてもいいよ?」
「どうするよ、海」
「んー、何もすることないなら散歩でもしてようかな」
「んじゃ俺ら散歩してくるわ!準備終わったら連絡ちょうだい」
「わかったよ、あまりはしゃぎすぎないようにね。いってらしゃーい」
みきちゃんの瞳が若干揺らいで見えたのは僕の見間違いだろうか。