子どもというのは、無邪気で怖いもの知らずなのはいつの時代でも共通なのだろう。


 目の前で遊んでいる子どもたちを見ているうちに僕も遊びたくなってしまい、彼らの元へ走る。



 気付いたら僕は病院のベッドに横たわり、体にはいくつものチューブや人工呼吸器などが取り付けられていた。
 


 息苦しいし体が全く動かない。



 なんとか目だけは動かせたので、周りを見渡してみると、そこには泣きながら僕の手を握っている母親の姿。



「お願いだからもう走ったりはしないで・・・」



 僕はこの時の母の言葉を一生忘れることはないだろう。



 この瞬間からこれから先の人生で運動すること、そして走ることすらできないのだと幼いながら悟った。



 その約束を守ることが僕が親にしてあげられる最大限の親孝行なのだと。



 しかし、あの日の決断が僕の人生を大きく変えることになるなんて、この頃はまだ微塵も思っていなかった。