静かに椅子を引き、リュックの中に入れている教科書を机の中にしまう。毎日教科書をリュックの中に入れて持ち歩くのはしんどい。
うちの学校は教科書などを自分のロッカーに閉まって帰ってもいいとされているが、ほとんどの生徒は毎日しっかり持って帰っている。
基本的に教科書を置いて帰っているのは、授業内容が完璧で予習なんて必要ないという人のみ。まさに隣の人のようなごく僅かの天才のみ。
それ以外の普通の生徒達は家で予習しないと勉強についていけないのではと思うほど、うちの学校の授業スピードは早い。
「海も学校に教科書置いて帰ったら?」
「嫌だよ。勉強についていけなくなっちゃうかもしれないし」
「はいはい、余裕なくせに。私がいなかったら海が首席だったんだから、実際勉強しなくてもいいじゃん」
僕は小さい頃から運動ができない分、本を読んだり、絵を描いたりとインドアな生活をしているうちに気付けば勉強ばかりしていた。もちろんみきちゃんに負けたくない一心で今日まで勉強し続けてきた。
それでもみきちゃんに勝つことは小学生から一度もなかった。だから、僕は放課後家に帰って勉強するために教科書を持ち帰っている。
「いいんだよ、僕はみきちゃんにいずれ勝つから!」
「へぇー、もうそのセリフ何回も聞いたけどいつになったら叶えてくれるのかな?楽しみだな」
言い争っている間に鐘が鳴り授業が始まる。まるで僕たちの言い争いの終わりを告げるコングのように。
うちの学校は教科書などを自分のロッカーに閉まって帰ってもいいとされているが、ほとんどの生徒は毎日しっかり持って帰っている。
基本的に教科書を置いて帰っているのは、授業内容が完璧で予習なんて必要ないという人のみ。まさに隣の人のようなごく僅かの天才のみ。
それ以外の普通の生徒達は家で予習しないと勉強についていけないのではと思うほど、うちの学校の授業スピードは早い。
「海も学校に教科書置いて帰ったら?」
「嫌だよ。勉強についていけなくなっちゃうかもしれないし」
「はいはい、余裕なくせに。私がいなかったら海が首席だったんだから、実際勉強しなくてもいいじゃん」
僕は小さい頃から運動ができない分、本を読んだり、絵を描いたりとインドアな生活をしているうちに気付けば勉強ばかりしていた。もちろんみきちゃんに負けたくない一心で今日まで勉強し続けてきた。
それでもみきちゃんに勝つことは小学生から一度もなかった。だから、僕は放課後家に帰って勉強するために教科書を持ち帰っている。
「いいんだよ、僕はみきちゃんにいずれ勝つから!」
「へぇー、もうそのセリフ何回も聞いたけどいつになったら叶えてくれるのかな?楽しみだな」
言い争っている間に鐘が鳴り授業が始まる。まるで僕たちの言い争いの終わりを告げるコングのように。