何度寝ても覚めても海のことが頭から離れない。彼の笑った顔が私の夢に何度も蘇ってくる。



 どれほど時間が経過しようと目覚めると、ついこの前の出来事は嘘だったのではないかと思ってしまうほどに。



 今日で海が亡くなってから一週間が経過する。私は事故以来、学校には一度も行っていない。行くことができない。



 母から聞いたが、どうやら想太といっちゃんもずっと学校を休んでいるらしい。



 誰とも連絡をとっていないので、二人の今の状況は何もわからないが、想太に関しては海が亡くなったと聞いた瞬間に、ショックで意識を失ったらしい。



 いっちゃんは海の家に訪ねてきたらしいが、本当のことだと知り、その場で泣き崩れたまま動かなかったと聞いた。



 二人はどんな想いで、この一週間を過ごしてきたのだろうか。私と同様に堕落して腐りかけてはいないだろうか。



 窓越しに見上げる空は生憎雨模様。この後は海のお葬式が行われる。神様も海の死を悲しみ嘆いているのだろうか。


 雨が神様の涙であってほしい...私たち三人は今日のお葬式で、海の死後初めて顔を合わせる。きっと二人も私と同じように生と死の狭間を生きているような顔をして式に出席するに違いない。



 喪服に身を包み傘を持って玄関を出る。海の好きだった雨。きっとこの先も雨を見るたびに、私は今日のお葬式のことを思い出してしまうのだろう。



 悲しみに塗れたこの澱んだ灰色に染まった空を。