ーあの時、君に出会えたことが僕の人生で最も幸せなことだったー
 ーあの時、君に気付けなかったことが私の人生で最も後悔したことだったー



 二匹の蝶が桜の花びらが舞う空に紛れながら仲良く飛んでいる。どこまでもどこまでも限りなく続く空の果てを目指して。



 小さい頃から僕は、他の子と比べると心臓が弱かったらしい。



 生まれた時から心臓が弱かったため、先生からは遊ぶことはもちろん、走ることすら禁止されていた。



 運動や走ることが命に関わるだけであって、日常生活は普通に過ごせるらしく当然死ぬこともないらしい。



 心の中では『遊びたい』と思っていても体がついていくことができず、ただ周りの子たちが遊んでいるのを眺めていることしかできなかった。



 それが幼少期の僕にとっては一番残酷だった。