授業がつまらない。ここ最近の毎日は、これといって楽しいことが一つもない。
友達がいないわけではない。私にだって、友達の一人や二人はいる。でも、彼女らと話していても私は何処か上の空。
彼女らの話に興味がないわけではないんだ。悠を私以外の誰かに取られてしまった喪失感が拭えないだけなんだ。
常に私の隣にいた彼が、いなくなってしまった穴はかなり大きい。
埋まることのない日常が私には辛いんだ。
「えー、今日の授業の内容は・・・」
(あれ...今ってなんの授業だったっけ?)
「皆さんの大切な人について、簡単にでいいので発表してもらいます」
私のことなどお構いなしに、先生は話を続ける。そうだった。現代文。
「何それ〜。難しいよ」
どこからともなく湧き上がる声。普段の私なら、皆に混じって声を上げていただろう。もちろん、そんな元気あるわけないが...
「はいはい。落ち着いてね。簡単にでいいの。1時間の授業内で話すことだから」
ぼんやりしていたせいで、話の大半を聞き逃してしまったが、『大切な人の発表』とだけは聞こえた。
なんで...どうして、今なんだろうか。ほんっとうにタイミングが悪い。
透明なガラス越しに見える空は、一切の澱みすらなくゆったりと雲は風に流されていた。
「はぁ・・・」
小さめにため息をついたつもりが、割と大きく出てしまったらしい。
隣の席の染井君が不思議そうにこちらを見ていた。彼との接点は何一つない。強いて言えば、強制的にやらされるペアワークのパートナーくらい。
好きか嫌いかで言われたら、どちらでもないと答える。そもそも彼に興味すらないのだから。
たまにチラチラと彼がこちらを気にしているのは感じ取れるが、視線が交わり合ったことは強制的なもの以外ない。
彼とは完全にお隣さんと言葉で表すのが正しいかもしれない。
ご近所さんと関わりがほとんどないように、挨拶をされたら返す程度。
隣の席の彼に限ったことではない。私は基本的に男子とは一切話さないんだ。
いや、正確には話してこなかった。私には悠がいたから必要がなかった。
その悠でさえ、今は...あぁ考えたくもないな。
早くこの日常から逃げ出してしまいたい。
友達がいないわけではない。私にだって、友達の一人や二人はいる。でも、彼女らと話していても私は何処か上の空。
彼女らの話に興味がないわけではないんだ。悠を私以外の誰かに取られてしまった喪失感が拭えないだけなんだ。
常に私の隣にいた彼が、いなくなってしまった穴はかなり大きい。
埋まることのない日常が私には辛いんだ。
「えー、今日の授業の内容は・・・」
(あれ...今ってなんの授業だったっけ?)
「皆さんの大切な人について、簡単にでいいので発表してもらいます」
私のことなどお構いなしに、先生は話を続ける。そうだった。現代文。
「何それ〜。難しいよ」
どこからともなく湧き上がる声。普段の私なら、皆に混じって声を上げていただろう。もちろん、そんな元気あるわけないが...
「はいはい。落ち着いてね。簡単にでいいの。1時間の授業内で話すことだから」
ぼんやりしていたせいで、話の大半を聞き逃してしまったが、『大切な人の発表』とだけは聞こえた。
なんで...どうして、今なんだろうか。ほんっとうにタイミングが悪い。
透明なガラス越しに見える空は、一切の澱みすらなくゆったりと雲は風に流されていた。
「はぁ・・・」
小さめにため息をついたつもりが、割と大きく出てしまったらしい。
隣の席の染井君が不思議そうにこちらを見ていた。彼との接点は何一つない。強いて言えば、強制的にやらされるペアワークのパートナーくらい。
好きか嫌いかで言われたら、どちらでもないと答える。そもそも彼に興味すらないのだから。
たまにチラチラと彼がこちらを気にしているのは感じ取れるが、視線が交わり合ったことは強制的なもの以外ない。
彼とは完全にお隣さんと言葉で表すのが正しいかもしれない。
ご近所さんと関わりがほとんどないように、挨拶をされたら返す程度。
隣の席の彼に限ったことではない。私は基本的に男子とは一切話さないんだ。
いや、正確には話してこなかった。私には悠がいたから必要がなかった。
その悠でさえ、今は...あぁ考えたくもないな。
早くこの日常から逃げ出してしまいたい。