「お姉様、お姉様」
「ん…貴女、は…?」
誰かの声に、目が覚める。
「私?私は、桜草よ」
桜草、と聞いてハッキリと脳が覚醒する。
「桜草?!…其れにしては、随分と小さいですが…?」
見た所、五・六歳の女の子だった。
而も、肝心の顔だけが白い靄の様なもので見えない。
「だって私、桜草の幼少期の姿だもん」
ふふふ、と笑う桜草。
「ねーえ、お姉様?私、外に出てみたいなぁ…」
ちらり、とまるで物を親に強請る子供の様に(実際子供だけれども)私の顔色を伺う桜草。
「外?」
「私、もう随分と外に出ていないの」
どう云うこと…?
「ほら、お姉様!毬付きをしましょ?」
ぐいぐいと私の腕を引っ張る桜草。
其の真白い腕は、とても細く、か弱かった。
骨も浮き出ており、桜草の過去が窺えた。
「ねぇ、桜草」
「?」
「貴女…何の位、外に出ていないの?」
桜草はきょとん…とし、んー…と考える素振りをした。
「ひぃ、ふぅ、みぃ…五年!弟が産まれてから!」
「そう…今の歳は?」
「七歳!」
つまり、桜草は僅か二歳で外に出られなくなったのだ。
「弟の名前は?」
「お姉様、随分と質問するね!『洋介』だよ!」
其の時、或る日の会話が稲妻の如く脳を駆け巡る。
え?私には、洋介と云う弟しか居ませんよ?
そうなんだ…私、七人兄妹だからなぁ〜
私は一人っ子ですよ!お姉様、是非私を妹に!!
ハッ、と息を呑む。
確か、洋介と云う弟が居ると言ったのは…
「解ったわ、桜草」
「?」
「貴女の正体」
そう、桜草の正体は…………
藍睡蓮だ
「ん…貴女、は…?」
誰かの声に、目が覚める。
「私?私は、桜草よ」
桜草、と聞いてハッキリと脳が覚醒する。
「桜草?!…其れにしては、随分と小さいですが…?」
見た所、五・六歳の女の子だった。
而も、肝心の顔だけが白い靄の様なもので見えない。
「だって私、桜草の幼少期の姿だもん」
ふふふ、と笑う桜草。
「ねーえ、お姉様?私、外に出てみたいなぁ…」
ちらり、とまるで物を親に強請る子供の様に(実際子供だけれども)私の顔色を伺う桜草。
「外?」
「私、もう随分と外に出ていないの」
どう云うこと…?
「ほら、お姉様!毬付きをしましょ?」
ぐいぐいと私の腕を引っ張る桜草。
其の真白い腕は、とても細く、か弱かった。
骨も浮き出ており、桜草の過去が窺えた。
「ねぇ、桜草」
「?」
「貴女…何の位、外に出ていないの?」
桜草はきょとん…とし、んー…と考える素振りをした。
「ひぃ、ふぅ、みぃ…五年!弟が産まれてから!」
「そう…今の歳は?」
「七歳!」
つまり、桜草は僅か二歳で外に出られなくなったのだ。
「弟の名前は?」
「お姉様、随分と質問するね!『洋介』だよ!」
其の時、或る日の会話が稲妻の如く脳を駆け巡る。
え?私には、洋介と云う弟しか居ませんよ?
そうなんだ…私、七人兄妹だからなぁ〜
私は一人っ子ですよ!お姉様、是非私を妹に!!
ハッ、と息を呑む。
確か、洋介と云う弟が居ると言ったのは…
「解ったわ、桜草」
「?」
「貴女の正体」
そう、桜草の正体は…………
藍睡蓮だ