私は、藍家の側室が産んだ子です。当時の藍家は、側室が子を産んだ場合、正妻が世継ぎを産む迄のみ、世継ぎと同等の扱いを受けれるのです。
だから、私は齢二つ迄、世継ぎとして育てられて来ました。
勿論、私の母・藍星澄(せいちょん)も…当時の藍家当主・藍哥神(こしん)に、正妻と殆ど同じ地位を貰いました。
ですが…洋介が産まれた途端、母と私は、地下の格子牢に幽閉されました。
食事も、其れ迄は三食でした。然し、一食へとなりました。
母は…私を、とても可愛がってくれました。精一杯、母としての務めを果たそうとしてくれました。数少ない食事も、殆ど私にやり、母は僅かばかりの雑穀の強飯を食べてました。
だからなのでしょう、母は…栄養不足で死にました。

淡々と話す幼少期の藍睡蓮。私は、胸が締め付けられた。

私は…今の藍睡蓮は…お姉様、貴女に憧れて聖ルーア女学院に入学しました。二条家の一人娘のお姉様ならば、(藍睡蓮)を救って下さると。
お姉様、どうか、どうか…(過去)からの願いです、(未来)を、救って下さい……ッ!!

泣きながら私に抱き着き、縋る睡蓮。
大きく声を上げ、泣き叫ぶ睡蓮。
私は……