★女性参加費無料★
①43歳(会社役員)
→七三分けの眼鏡スーツの普通のオジサン。このときの参加者の中では最年長。一見真面目そうなこのオジサンは、自営業で建築会社の次期社長。開口一番、「こういうイベント参加するの何回目ですか?」と聞いておいて、「僕は3回目なんですよー」とダラダラ脈絡のない話を続ける。1分間これで終わって次の人と話したいなと思ってたら「あ、29歳ですか。若いですね。今日参加してる人は30代が多いから、若い人がいてよかった」と喋ってそのまま時間切れ。
男性陣が順番に動いて回る回転寿司形式のトークタイムが終わり、2回目と3回目は椅子取りゲーム形式、かぶったらじゃんけんで順番を決めて話すという争奪戦。このオジサンとは特に話題もないので適当に相槌打ってたら、2回目も3回目も我先にとやってきて、他の男性陣を蹴落とす勢いで高速ジャンケン(しかも強い。次も勝ってた)、対戦した男性から引かれてた。
心なしか息も乱れ、暑さのせいか少々汗ばんでいる。その後も「若くていいですねー」「自分は年いってるせいか誰も相手にしてくれなくて」「今は親父が社長だけど、ゆくゆくは僕が後を継ぐのでまあ、次期社長ですね。奥さんには経理とか手伝ってもらえるとありがたい。子どもはいてもいなくてもいいけど、親には早く孫の顔見せろってうるさく言われるもんだから」
親に言われて婚活?てか、親のために結婚するって姿勢に色々と疑問が。そして終了間際、「これ、僕の連絡先なのでよかったら連絡ください」とこっそり渡された紙切れ。よく見たら、何かの書類の端切れっぽい。経営者ですよね?
100歩譲って名刺忘れたとか切らしてるとかだったとしても、書類破ってそれを相手に渡すってどうなん?プロフィールカードに付属のアピールカード付いてるのに(気づいていないだけかもしれないが)。
でも、意外と字は綺麗。走り書きに見えないくらいの綺麗な字が書けるのなら、こういうところで台無しにするのはすごくもったいない。いずれにしてもこのオジサンには何度アピールされても興味がわかず、いただいた連絡先は即処分(会場内のゴミ箱。パッと見ゴミだったから誰も見ないだろうという私もかなり性格歪んでいた)。
②36歳(公務員)
→名古屋で一人暮らしをする市の水道課職員。少し明るめの茶髪にメガネ、一見ヨ○様にも見えるインテリ系の男性。出身大学は有名国立大学とかなりの高学歴。穏やかな口調で、知的な印象。上記のオジサンの存在など霞んでしまうくらい後光がさして見えた。当然の流れのようにあっさりマッチング。日を改めて食事に行きましょうという話になった。当時実家暮らしをしていた私は、一人暮らしの人に憧れてその話題も振りながら情報収集。「男の一人暮らしなんて味気ないよ」「まあ、気楽だしやってみるのはいいことだと思う。ただ、女の子だと親が過度に心配性な場合はハードル高いかもね」と冷静に淡々と話す彼。
婚活パーティーに参加してみていい出会いはありました? と思い切って聞いてみた。
「ああ、あったよ」とすんなり。
「いいなと思う女性は去年くらいに出会って、いい雰囲気になってきたから僕から思い切って告白したんだけど……ふられてしまって……」
しゅん、と肩を落として今にも泣きそうになる彼。やばい、このままだと私が泣かしたみたいになる。
「でも、思いはちゃんと伝えられたんですよね?結果がどうあれ、伝えられたのはよかったですよ。次の恋に進めるチャンスをもらえたってことです。はっきりされないまま終わる、というか、終わりすらはっきりしないで自然消滅するほうが何かモヤモヤしません?」とその場を取り繕うように私が言うと、
「可憐さんは、忘れられない人いないんですか?」と痛いところを突かれた。
「そりゃあ、いますね。はい」
「次の恋進めました?」
「うーん、すぐには無理ですね」
「でしょ?」
でしょ?って……。
「でも、どこかで区切りつけないと。ずっとこのままなのは嫌だと思って始めたのが婚活なんで。まあ、可憐さんはまだ若いからこれからチャンスたくさんあると思います。僕はもうギリギリなので」
「はあ……」
何となく湿っぽい空気に。
お互いに忘れられない相手がいるとわかってしまった以上、どういう展開に話を持っていけばいいものか。
完全に話題迷子。詰んだ。

「そろそろ出ますか。もう遅いし」
「ですね」
「今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそ。わざわざ遠くから来ていただいてーー」
「あ、今日のお代だけど」
「あ、はい」
「2000円でいいよ。後は僕が払うから」
「え」
「遠慮しないで」
いや、遠慮も何も。
二人で4300円って、ほぼ割り勘やんけ。
「ご、ごちそうさまです」
「どういたしまして。気をつけて帰ってね」
悪い人ではなかったが、何となくモヤモヤ感が払拭できない人だった。
婚活って、難しい。マッチング自体は簡単。でも、それにあぐらをかいていると肝心なその先の展開には至らないんだなと実感。