25歳のとき、遠距離恋愛していたピアニストに振られ、失意のドン底……。ずっと一緒にいられると思っていただけにショックは大きく、まさか8年近くも引きずり貴重な20代を棒にふることになろうとは。

私こと可憐は、28の時に2つ下の妹が結婚し、翌年に子宝に恵まれた瞬間、「もう20代最後なのに結婚どころか彼氏もいない。そろそろやばくね?」と思い、婚活を決意。
ついでに別れた元彼のことも忘れられるなら、ちょうどいい。
結婚前提ってのは手っ取り早いし、外堀さえ埋まればきっと楽勝。30代前半ならまだ十分いける。半年もあればいけるんでないか。などと調子のいいことを思っていた。
29歳で婚活パーティーデビューした私。
初めは肩慣らし程度に、気軽に参加しよう。週1で予定を組み、興味のある内容のパーティーに行きまくった。
初期のマッチング率は8割程度。たいてい誰かとはマッチングした。しかし、なかなか次には繋がらず。そんなことを繰り返していたら、あることに気づいた。
元彼と比較していることに。
全然忘れられていないことに。
マッチングすることが目的の、ゲーム感覚になっていた事に。
そして、とうとう30代になった頃、マッチングしにくくなった。
たった1年しか違わないのに、29歳と30歳では扱いが違った。29歳の頃は「まだ20代なんて若いですね」と若さでまだ勝負できたが、30歳になると「若い」とは言われなくなった。恐ろしいことに、この1年の壁を感じた翌年。
31歳になると、「30代限定」というイベントを中心に参加するようになった。
若さが通用しなくなった今、私のもつ最大限のスペックはなんだろう。
非正規雇用。
実家暮らし。
彼氏いない歴5年以上。
貯金ほぼなし。
年収250万。
ただの脛かじりオバサンではないかと自覚したのは、「え、30過ぎてまだ親と一緒に暮らしてるの?」の一言だった。