心配そうに和葉を見つめる玻玖。

そんな玻玖に対して、和葉は笑ってみせる。


「それなら大丈夫です。わたしには、旦那様がそばについていてくださいます。悲しいことなど、起こるはずもありません」


それを聞いて、玻玖も微笑む。


「そうだな。これからも、和葉がいやというほどにかわいがってやる」


見つめ合う玻玖と和葉は、引き寄せられるように唇を重ねた。


その後、再び縁側に戻った玻玖は、和葉の左手をそっと手に取った。

そうして、キョトンと首をかしげる和葉の左手薬指にあるものを通した。


「これは…」


月明かりにキラリと輝くそれは、銀色の指輪だった。


「『結婚指輪』というものらしい。夫婦互いの左手薬指にはめて、永遠の愛を誓うのだそうだ」

「…永遠の愛。…素敵です!ありがとうございます」